ステージ通信Q

[連載] HIBIKI サウンドブレイク 第3回 音楽を未来に繋ぐ、音楽アウトリーチ

break.gif 響ホールでは、コンサートと並んで”音楽アウトリーチ“に力を入れています。

 ”音楽アウトリーチ“とは、演奏家がコンサートホールを飛び出し、学校・病院・福祉施設など、なかなかホールに足を運ぶことのできない人たちを対象に出張演奏を行ったり、地域や商店街などでミニコンサートを行い、音楽をきっかけとした地域づくりのお手伝いをしたりする、クラシック音楽をより身近に感じてもらうための活動です。クラシック音楽を好きになるにはまず聴いてもらうのが一番。ホールに来られない、または、来てくれないのならこちらから行って聴いてもらう。実際に一流の演奏を間近に触れてもらうことで、音楽をもっと身近に感じてもらい、クラシック音楽のファンになってもらうものです。
 さて、その”音楽アウトリーチ“ですが、響ホールでは、来演した国内外の一流アーティストやオーディションで選抜した地元の若手演奏家を起用して、小学校を中心に展開しています。将来の音楽文化を支えるのは、子どもたちだからです。
でも、今までの音楽鑑賞といえば、体育館に全校生徒が集まって体育座りで全員で聴くというというイメージがありませんか。しかし、今の”音楽アウトリーチ“は違います。音楽室でそのクラス限定のミニコンサート、一流のアーティストがその部屋にいる子どもたちだけのために演奏する贅沢なコンサートです。優れたアーティストの演奏を目の前にすると、子どもたちは、間違いなくその世界に引き込まれます。大人でも難しいと思うような初めて聴く曲でも何の先入観も持たず熱心に耳を傾け、初めて見る楽器を好奇心いっぱい見つめます。そして、アーティストの技に圧倒され、音楽の素晴らしさを心から感じてくれます。小さい頃に一流の音楽にふれた経験は、子どもたちにとって、一生の宝物になります。多くの子どもたちが優れた音楽に触れた思い出を持ち続け、この地域の音楽文化を未来に繋いでいってもらいたいと考えています。
 音楽文化を未来に繋ぐ。それが音楽アウトリーチの最大の目的のひとつです。
(文 響ホール音楽アウトリーチ スタッフN)

2006年12月20日
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