月別アーカイブ

サイト内検索

イベント情報

インタビュー・会見2016年10月01日

【sutra(スートラ)初来日公演】開幕直前インタビュー!

 いよいよ本日「sutra(スートラ)」東京公演が開幕!東京・愛知と経て、10/8(土)には遂に北九州へ・・・と期待が高まる中、昨日東京にて振付・演出、そして日本ツアー版では舞台にも立つシディ・ラルビ・シェルカウイさん、出演する嵩山少林寺の武僧達のリーダー、ファン・ジャハオさんのインタビュー会見が行われました。

sutra.JPG

―少林武僧の魅力、舞台に参加することの魅力とは?
シェルカウイ「武僧たちは肉体の動きを通じて、自身の精神を追求している。そこに振付家としてダンスを追求するときの感覚と似たものを感じました。また嵩山少林寺を訪れた際には、彼らがいつも一つのコミュニティとして共存していることに感銘を受けましたね。私たちダンサーは、昼間にスタジオでレッスンを共にしても夜には個人の生活があります。ですが武僧たちは、常に一緒に規律の中で生活しているのです」
ジャハオ「この作品からは新しさを感じています。少林拳の伝統と西洋のダンスのコラボレートに立ち会うということは新鮮な体験ですし、ここから新しい文化が生まれたと感じます。この作品を通じて、さらに多くの人たちに少林拳を知っていただけたらうれしいですね」

―クリエーション過程について
シェルカウイ「この作品は、従来とは違う角度から嵩山少林寺の武僧を見るところから始まりました。最初は4人くらいの武僧とワークショップを始め、それが8人になり、さらに子供の武僧が入ることで、大人の武僧を含め、自由にクリエイションできる空気になったのですね。私はそこへオープンな気持ちで入っていき、彼らの日々の生活、動きからインスピレーションを受けて生まれたのが『スートラ』です。この作品では21世紀を生きている武僧たちを描きたいと思いましたし、少林拳をコンテンポラリーな形で表現することも可能だと考えました」
ジャハオ「普段の修行では退屈を感じることもありますが、この舞台には、ゲーム感覚で演じる部分もあるので非常に楽しいですね。もちろん普段の修行では箱を使うことはないですし、慣れないうちは箱にぶつかってしまうなど、戸惑う点も多々ありました。でも、シェルカウイさんはいつも私たちの意見をちゃんと聞いてくださいますし、なにかあればすぐ相談させていただける。だから今はまったく問題はありません」 

(ジャハオのコメントに登場した箱。これはシェルカウイにとって重要な意味を持つセットである)

シェルカウイ「私は箱の中を、人が生きているときに与えられている個人的な空間として捉えています。そして、その一つひとつを重ねることで、壁や階段、寺院などが生まれていく。このセットは友人の美術家アントニー・ゴームリーによるものですが、観客が自分自身の想像力を駆使できる余白を残しているのが素晴らしいと思います」

―最後に、『スートラ』に込められたメッセージとは?
シェルカウイ「死の後にはまた生があるということ。輪廻ですね。この作品をご覧いただくと、すべてが壊れ、終焉を迎えたように思える瞬間から、また新たなものが構築されていきます。それは生と死というテーマに繋がっていき、だから物語は終わることがないのです。是非、日本のみなさんにこの公演を楽しんでいただければと思います」

sutra_合体.jpg