ステージ通信Q

[連載] 劇場ナン・コレ 第2回 劇場はイキモノ

nankore.gif毎日華やかな世界が生まれ、熱気・歓喜・興奮・感動に包まれる劇場にも、静かな空気が「こんにちは」している時がある。そのひとつが、次の催しがやってくる間の日。
だがしか〜し!静かだからと言って、静まり返っているわけではなかった。劇場のスタッフさん達は、静かに密かに?この日も黙々と仕事をしていたのであります。

「催しのない日にでも見学にお邪魔しま〜す。」と、軽率な発言をした自分の阿呆面を思い出すと恥ずかしい限りです。催しのない日=劇場もスタッフも「お休み」ではないのですな。
 さて、この日行われていたのは、劇場の総点検。劇場本体の様々な箇所の御機嫌(機械の調子具合等)を伺う大切な時間でありました。その貴重な時間にお邪魔してしまった自分に失笑。そんな自分に対し、素敵な笑顔で応対していただき、さらには、SFの世界にワープしたような舞台装置を体感させていただいたスタッフの皆さんに感謝&陳謝。

機材を整理したり、機構(舞台装置等)を点検・修理したり、いつかの時に備えオリジナルの機材やツールを作ったり、次の催しの打合せをしたり。様々な面で工夫しながら、いつも使いやすくクリエイティブな場所であるように、皆が活き活きと「劇場のため」に動いていた。「劇場は生きている。」と痛感。劇場は生きモノであり、活きモノなんですなぁ。

q14_nankore.jpg

〈今回のナン・コレ〉
■奈落(ならく)…「奈落の底まで突き落としてやるわ、お〜っほっほっほっ」ちょっと鳥肌モノのこの言葉。良い意味で使われる言葉ではないが、舞台の奈落は決して地獄ではない。せり出しの装置があり、通路にもなるかなり広い地下室のような空間が広がっている。一体何人乗れちゃうの?ってくらい広い搬入エレベーターも印象的。
■舞台の床の修復…これは、自分んちの床や柱にも使えると思った!舞台セットの組立時に釘が打たれ、撤去時に床に残る釘の跡。穴だらけになった床の穴の大きさにあわせて、ボンドをつけたつまようじや割箸を挿し込み、突き出てる部分はノコギリ等でスライドカット。修復完了!
■最新機器と人間の力の融合…最新の大がかりな舞台装置があるかと思えば、人の力で微妙に調整していく手動の装置もあり、それらがイイ感じに舞台の天地左右で出番を待っていた。
■座席…消える座席があるって知ってました?

文・イラスト トミタユキコ

2006年09月20日
2006(C) Kitakyushu City Foundation for Promoting Arts and Culture|HOMEPage Top
当サイトに掲載されている文章、写真、イラストなどの画像の無断転載・無断コピーを禁じます。