ステージ通信Q

[連載] HIBIKI サウンドブレイク 第2回 北九州国際音楽祭“新発見の喜びを”

break.gifコンサートを聴いて感動するパターンには種々あると思いますが、予想をはるかに上回る結果に驚き、未知の発見に感動したことはありませんか?

例えば、知名度は高くないけれど他から勧められるので試しに聴いてみたところ、その演奏レベル、演奏姿勢が素晴らしく、他に先駆けて世界一流アーティストを発見した喜びで感動する場合です。

北九州国際音楽祭ではまさしくこの様な感動を皆様にお届けすることも一つの基本理念としています。世界が沸き立つ人気アーティストの演奏を聴くことも大きな感動には違いありませんが、今まで名前も知らなかった、今後世界の檜舞台での活躍を予感させる非凡な才能を持ったアーティストの演奏に遭遇した場合の感動もすばらしいものです。

昨年の音楽祭に出演したヴァイオリニスト”南紫音さん“は当時無名の高校一年生でしたが、コンサートを聴かれたお客様の反応はまさしくそうでした。

コンサートが始まる前は、ちょっと試しに、人に誘われたから来た、という雰囲気も一部漂っていたように思えましたが、コンサート終了後には全く違った感じになっていました。演奏の素晴らしさ、地元にこんな逸材がいたかとの驚きで多くの方が興奮されて、私は何人ものお客様から”本当に驚いた。南さんのコンサートを音楽祭で企画してくれてありがとう“と言われた場面を今でもはっきり覚えています。

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同年の音楽祭で行われた庄司紗矢香、ブルーノ・レオナルド・ゲルバー、篠崎史紀等世界一流の実力を備えた人気アーティストの公演も大盛況で多くのお客様が喜ばれていたと思いますが、南さんの場合は突然宝物でも見つけたような喜びだったように思えます。その直後、彼女は世界四大コンクールのひとつロン・ティボー国際音楽コンクールで第2位を獲得するという快挙を成し遂げ、今では国内の主要オーケストラや一流ソリストとの共演など、世界に大きく羽ばたこうとされています。音楽祭のコンサートで感動されたお客様は今でも親しみを持たれ南さんの活躍を楽しみにされているのではないでしょうか。これも新発見ならではの楽しみですね。

(文 北九州国際音楽祭実行委員会事務局K)

2006年09月20日
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