わたしの青い鳥
わたしの青い鳥物語
「歌う喜び、歌える幸せ」

第4回

「歌う喜び、歌える幸せ」

古庄桃子(ふるしょう・ももこ)さん(21)

合唱ならではの喜びと難しさ
 小学生から高校生まで合唱団(北九州アカデミー少年少女合唱団)に所属し、とにかく歌う事が大好きという古庄さん。個人としては今回が初参加ですが、実は、初年度には合唱団として参加していました。

「参加者募集の記事を見つけた時、なんとなく出た...という記憶はあったんですが、ワークショップで歌っていく中で、次第に"こんな曲だったな~"と記憶が鮮明になってきました。合唱団で出た時は他の皆さんと交流出来る機会が殆どなかったので、今回は色んな年齢の方と仲良くなれて嬉しいです!」

 合唱団を卒業後も、大学で聖歌隊に所属。十数年間常に歌が身近にある日々を送っていたにも関わらず、社会に出てからはカラオケ程度。一人で歌うのも楽しいけれど、皆で歌う=合唱にこそ喜びを感じる、と語る古庄さんだけに、この数年は悶々とした想いを募らせていたそうです。

「合唱で歌っていて"ハモリの中にいる"時の感覚が、何とも言えず心地いいんです。一人では味わえないものだし、聴いているのと歌うのでも全然違う。やっぱり私は歌う事、そして絶対的に合唱が好きなんだなと思います。今回久しぶりの合唱で、しかも百名以上もの方達と一緒に歌う事が出来て、本当に楽しいです」

 もちろん、ただ楽しいばかりではなく、時には難しさを感じる場面も。

「合唱団では、まず何より音程やハーモニーが第一。例えば、歌詞がないah~とかoh~とかいったフレーズだと、音で聴かせる要素が強いけれど、青い鳥では物語の一部として、どんな気持ちで歌うかを考えないといけない。それが難しかったですね」

心の壁を越える歌の力
 楽しさや難しさを含め、古庄さんにとって歌う事は最大の自己表現ツール。それは、歌の持つこんな側面にも後押しされています。

「合唱団で海外遠征に行った時、誰かがドレミの歌を歌い始めて、そうしたら他の人たちも皆それぞれの国の言葉で歌い出したんです。違う言語で思い思いに歌っているだけなのに、何となく通じ合えている気がしたし、自然と仲間意識も芽生えたりして。歌いながらいつの間にか肩を組んだり、手を繋いだり、日常ではちょっと気恥ずかしい事も、自然と出来ちゃったりするんですよね。そういう見えない心の壁を越えてしまう何か、が歌にはあると思います」

vol4_phB.JPG今回仲良くなった方がお揃いで作ってくれたというミサンガ。
外れる頃には、しあわせの青い鳥がやってくるかも?

 歌を通して様々な事を学び、そして時にコミュニケーションツールとして、これからも生涯歌っていきたい、と語る古庄さん。 

「家族や友達と一緒に居る時、歌を歌ったりお菓子を作ったり、好きな事をしている時。幸せって、日常にたくさん溢れているものなのに気づけていない、意識出来ていませんでした。今回青い鳥に参加してそれに気づく事が出来た事で、何気ない日常の見え方も変わってくるんじゃないかな、と楽しみです。そして、青い鳥に参加されている皆さんのように、私もずっと歌い続けていきたいです」

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