わたしの青い鳥
わたしの青い鳥物語
「勇気の先にある喜び」

第11回

「勇気の先にある喜び」

川本幸恵(かわもと・ゆきえ)さん(35)
川本澪(かわもと・みお)ちゃん(9)

はじめの一歩

 "親娘一緒に今しか出来ないことをしたい"と、今年初めて青い鳥に参加した川本幸恵さんと澪ちゃん。高校大学でブラスバンドなどを経験した幸恵さんは、ひとつの作品を仲間と創りあげていく緊張感や面白さ―それを、澪ちゃんにも味わってほしかったそう。

幸恵さん「私も楽器や音楽は好きだし、娘も歌が好きで、よく家で自作自演の曲を歌ったり踊ったりしていて(笑)。幼い頃から色んな事を体験してほしいとは思っていますが、何でも自分から進んで行くタイプではなく、分からない事には躊躇するし、楽しいと分かれば自分から進んで行く。なので、まずはそのきっかけを一緒につくれたらと思っています」

 幸恵さん自身、好奇心は旺盛ながらも慎重派で、石橋は何度も叩いて渡るタイプ。初めて青い鳥の事を知ってから応募するまでも、随分悩み考えたそう。仕事、育児、家事と、日々流れるように時間が過ぎていく中で、週に2回もの時間を確保出来るのか?通えるのか?下の妹さんは?様々な事を想定し、クリアし、ようやくの思いで参加を決意。そして、初日のワークショップが始まった瞬間、それまでの全ての不安が消えたと言います。

幸恵さん「ワークショップの冒頭に大森先生の歌を聞いた途端、身体中がゾクゾクして、心を鷲掴みにされました。こんなにレベルが高いんだ、とも思いましたが、ワクワクする気持ちの方が強かった。仕事や家の事など参加するまで本当に何度も悩みましたが、最終的に"行ってくれば"と、ポンッと背中を押してくれた主人に本当に感謝しました。迷って迷って参加した先にこんなに素晴らしい事が待っているなんて想像以上で、勇気を持って一歩を踏み出す事は大事だな、と改めて気付かされました」

青い鳥で見つめる、親娘の時間

 真剣な中にも笑いの絶えない先生方の指導、リピーター参加者の方々の声かけやサポート。毎回のワークショップは発見と感動の連続で、あまりの感動に食事が喉を通らない事もあった、と語る幸恵さん。そして幸恵さんにとっても澪ちゃんにとっても、今では週2回のワークショップがかけがえのない時間になっているそう。

幸恵さん「前稽古にも少しでも長く参加したい!と思うと、自分でも驚くほど(笑)仕事も頑張れたり、生活に良いメリハリが生まれました。家の事を離れる罪悪感もありましたが、人生は一度きり。娘と一緒にこうして参加出来る今という時間は本当に貴重で、参加して良かったと心から思います。色んな世代の方に子育ての事について意見を聞けたり、自分から手を挙げて発表する事はあまりしなかった娘が、クラスの皆に公演の事をお知らせしたり、積極的になっている姿も嬉しいですね」
澪ちゃん「学校以外のお友達も出来たし、先生も面白くて楽しいです。それに、最近はママが妹といる時間の方が多くて少し寂しかったけど、一緒の時間が出来てとっても嬉しいです」

vol11kawamoto_phB.jpgのサムネイル画像今年で青い鳥を卒業する大森先生へ手作りのプレゼント。
一緒に歌い、色んな事を経験し、考える事の出来る青い鳥。
「本当に素敵な企画ですね」とキラキラした笑顔で語ってくださいました。

 間もなく迎える本番に向けて、今はイメージトレーニングの真っ最中というお二人。

幸恵さん「家でも朝から曲をかけたり、空っぽの客席を観ながら、ここに沢山お客さんが...と、ずっとイメージしています。歌詞の意味も日を追うごとに深く考えるようになって、当たり前の事の大切さとか、自分でも考える事はありましたが、改めて文字に起こされるとより色んな発見があります。今回青い鳥に出会った事もそうですが、人が誰かや何かと出会うタイミング、確率って凄い、生きているって凄いな、という事を今改めて感じています」

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