September 11, 2006

[山田うん] 山田うんさんコメント

北九州滞在中は毎日ぶらぶら歩いて旦過市場に。散歩距離で旬の食材に出会うことができる、という当たり前の日常にバンザイとスキップをしています。これは東京ではなかなかできないことです。“土地のものを食べる”、“旬の食材を食べる”、ということは昔は当たり前のことだったのでしょうけれど、今では最も贅沢で困難なことでもあることは言うまでもなく。

「BARBABAR」のダンサー達は、この“地域”でこの“タイミング”で出会った旬の素材です。加えてスタッフ達も。皆を野菜や魚に例えるのはどうかとも思いますが、そのくらい贅沢で貴重な機会だということです。東京では成しえなかったダンス作品の誕生。私の発想は日々変化。素材から導き出される。どんどんと。時間が足りない。ということに直面してはよく泣き笑い、稽古の帰り道バンザイとスキップならずやや摺り足、という“ワクワク”と“ズド〜ン”という時間がせめぎ合い。

Bar、場、Barber(床屋)、婆(私や貴女の今か未来)、棒、等いくつかのバー繋がりのキーワードとサブリミナル効果的に散りばめてある私の悪意が物語る「BARBABAR」。
無意味を熱く語るためにダンスという刹那を北九州より。

振付・演出 山田うん


(公演パンフレットより転載)


August 09, 2006

[山田うん] コメント

昔々、というほど昔ではありませんが、BAR通いばかりで、稼いだお金を全て酒に注ぎ込んで、毎日記憶を失っていた時間がありました。今ではあまりBARには行きませんが、BARGAINには行きます。
BAR LESSONはよくします。私には大事な“婆〜ば”がいて、“婆〜ば”が一日でも長生きしてくれるといいなと思っています。無免許ですが“バーバーヤマダ”を時々開店しています。そんな私的なバー繋がりの云々はどうでもいいことです。しかし作品は振付家の極めて個人的な常識とダンサー一人一人が持っているバラバラの体感との中で、こうかな、ああかな、と互いに点を探し軸棒を立てては倒し…ているうちに生まれてくるのです。私の場合。多分。「BARBABAR」は過去の記憶に残ってない部分と未来のまだ記憶にない部分を今作ってしまう場所です。快楽へ向かうまでとひらめきのパレードです。


[山田うん] 振付家プロフィール

2000年、横浜ダンスコレクション「ソロ×デュオ・コンペティション」にて<在日フランス大使館賞>受賞後、渡仏。何気ない振る舞いを基にユーモラスで機知に富んだダンス作品には定評があり、ダンサー・振付家として国内外で公演、ワークショップ等を展開。また、音楽家とのコラボレーションや演劇の振付けなどジャンルを越えて活躍している。2002年カンパニー<Co.山田うん>を設立。最新作 [gés](06年2月、吉祥寺シアター)含む、年1回のカンパニー新作発表ではいずれも高い評価を得ている。代表作に「[gés]」「W.i.f.e.」「IN SIDE OUT」「ワン◆ピース」「月想曲」「テンテコマイ」他。 
http://www1.ocn.ne.jp/~yaun/