北九州芸術劇場 学芸ブログ

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2013年11月08日 18:11

作・五郎丸雅帆さん インタビュー

 公演が近づいてきましたシアターラボ・リターンズ「みつことコンビニ、大臀筋。」
 この戯曲は、昨年度のシアターデモ2013の「誰にでも書ける、あなたにしか書けない戯曲講座」に参加し、その後の「本格的戯曲講座」を経て完成したものです。
 作者はこの講座で初めて戯曲を書いた五郎丸雅帆さん。
 そんな五郎丸さんに、シアターデモ2013に参加したきっかけや戯曲について語っていただきました。

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1. シアターデモ2013の戯曲講座に参加しようと思ったきっかけはありますか?

「誰にでも書ける、あなたにしか書けない戯曲講座」は、一回限りの講座だと思っていて、軽い気持ちで参加しました。ちょっと、新しいことをしてみたくて。これからお芝居を書いて、演出もして・・・と分かっていたら気後れして、応募していなかったです。戯曲講座は、自分が書いた短いやりとりを読んでもらえるのが、すごく楽しかったです。もう少しやってみたい、と思いました。

2. 「みつことコンビニ、大臀筋。」に登場するみつこは「お尻が好き」というちょっと変わった趣味を持っている以外は、「写真が好きで、恋人欲しいなーと思いつつも、なかなかこの人!という人に出会えずにいる」ごく普通の女の子、という印象です。みつこのような女の子を主人公にするという着想はどこからきたのでしょう?もしくは、この作品を考えるきっかけになった出来事はありますか?

 書き始める時、最初に、「コンビニから出られない男の人」のイメージがありました。当時、仕事を辞めたりして、新しい一歩をふみ出さないといけないのに、その一歩が出ないという感じがあって。自分を重ねていたと思います。
 「みつこ」は、その人をひっぱり出すべく現れました。モデルはいないです。特に前向きな女の子でもないですね。みつこはなぜ、いつもコンビニの前にいるんだろう、彼に何て言うだろう、と想像するうちに、同性のみつこにどんどん共感していく自分がいました。勝手にボロボロになって、めそめそしながらも前に進もうとする様子はまさに、ごく普通の女の子だと思います。

3. 五郎丸さんが好きな、あるいは影響を受けた脚本家・作家さん、劇団などはありますか?

 「ラッパ屋」さんです!『世界の秘密と田中』を観に行って、本当にもう、すごく面白くて。大人が、大人として生きていて、まっとうに見えるかもしれないけど色々あるんだよ。という感じが、演劇というか、人生において目から鱗が落ちました。
 それから、鈴木聡さんが書かれた「北九州芸術劇場プロデュース『BEN』」を観て、北九州の俳優さんを好きになって・・・。すごく影響を受けています!

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4. 「みつことコンビニ、大臀筋。」稽古初日の台本読みの印象はいかがでしたか? 穴迫信一さんの演出に期待することなどあればお話下さい。

 穴迫さんがテキパキと稽古を進行して、皆さんが真剣に穴迫さんの説明を聞いている様子に、私も身のひきしまる思いでいました。穴迫さんはとても頼もしくて、これまでご自身で何度も作品を発表して、舞台にも立たれていて、経験の豊富な方なんだとあらためて感じました。
 だけどやっぱり、穴迫さんは十歳ぐらい年齢の離れた、「若い男の子」でもあるんです。みつこが、若い男の子にどうされてしまうんだろう、と思うとひやひやします。私はみつこと同世代、より少し年上ですが、いたわられるのは、いやかも・・・初日の印象では、そういう感じは全くしませんでした。楽しみです。

5. 先日上演されたショーデン隊再会公演「わが腹」(注)のパンフレットに、後々戯曲講座に参加して戯曲を一本書くことになる、ということなど知る由もなかった時のことが書かれていて、それがとても印象的だったのですが、戯曲を書き、お芝居を創るという経験は五郎丸さんにとってどのようなものでしたか?

 「ドラえもん」って、机の引き出しを開けるとタイムマシンになっていて、いろんな年代にタイムスリップしますよね。戯曲を書くのは私にとって、それに似ていました。「みつことコンビニ、大臀筋。」の、前にバス停があるコンビニも、「わが腹」の病院も、実在する場所で、そこで過ごした時間に、もう一度飛びこんで行くようでした。
 なぜ、わざわざそんなことをするかと言うと、劇場でしか会えない人たちに会いたいからです。会っていない間にそれぞれが過ごした時間と経験を持ち寄って、役者、スタッフとして一緒に舞台をつくっていると、おたがい生きてて、また会えてよかったと思います。楽しいです。

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6.今後の目標や、温めている構想などありますか?

 目標は・・・あります。北九州芸術劇場が、はじまりの場所だったので、ここで出会った人たちと、私もこの劇場に帰って来たいです。

注)ショーデン隊は、「シアターデモ2013」にて期間限定劇団として結成。「シアターデモ2013」終了後、2013年10月に北九州芸術劇場の「ステップアッププログラム」参加団体として、稽古場で再会公演「わが腹」(作・演出:五郎丸雅帆)を行った。
ショーデン隊HP http://showdentai.web.fc2.com/