シアターコラボ2010(H22年度)

北九州芸術劇場 学芸ブログ

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2010年12月05日 13:31

音響講座♪

11月30日と12月1日の2日間で音響講座がありました。

講師の杉山聡(北九州芸術劇場・音響係)が
音響が作品でどういう役割があって、どれだけ大切か、
ということを熱く語ります!


首マッサージ中?

 

演劇初心者の方もいるので、
まず最初に、演劇作りにはどんな役割があるかを、杉山さんが質問。

作家、俳優、演出、美術、衣装、舞台監督、舞台照明、音響、
受付、お客さん、プロデューサー...などなど、
いろいろな答えが出てきました。


杉山
「この中で誰が一番えらいと思う?」

「個人的には、作品作りに必要な人たちはみんな同等だと思っています」

 


音響の効果の記入例。

この記号や線で、どんな音響効果にするかが分かるようになっています。
が、これだけ見てもわかりませんね~。
ただ、これは世界共通らしく、音響をやっている人には
国を問わず通じるそうです。

 

そして、舞台音響家の仕事や音の伝わり方など
重要だけどちょっと難しいことをさらっと教わって、

 

杉山「なんとなく理解したらいいからね」

 


ということで、みなさんが音響について少し分かってきたところで
実際に音響で使用する音響調整卓(ミキサー)の解説。

1130_colabo-2010_3.JPG

みんな真剣。


 

音響調整卓(ミキサー)
操作する場所がいっぱいあります。


そして、実際に音響効果を実演。
"犬が吠える音"に「遠くから聞こえる」という効果をつけてくれました。

ただ音量を小さくするだけでは、遠くには感じはしないのです。
音響調整卓(ミキサー)で音を加工することで、遠くから聞こえるようにできます。
言葉でうまく伝えられないのですが...


音響効果の解説中。


この音響効果のデモンストレーションは、
結構ウケがよいらしいのですが、今回はイマイチだったので
杉山さんは、ちょっとご不満のようでした~。

個人的には、「ほほ~ぅ」と感心しきりでした。
演劇などを観ているときは、何気なく"音"を聞いていましたが、
いろいろな配慮がされて作品の一部になっているんだな~と。

 


2回目の講座では、全員が短い作品の音響を実践!

実際に音響の操作をするため、機材の説明を熱心に聞いています。
 
むむむ。


一通り説明を聞いたら即実践!
無事に全員終了しました。

人それぞれの感じ方があるので、
18とおりのオリジナル作品ができていました。
演出の後藤さんも、舞台技術講座講師の有門さんもやってました!

 

  

最後は、音響で使うコードの巻き方をマスター。
バラシ(公演後の片づけ)の際に必要な技術なのです。

みんなと一緒に後藤さんも巻き巻き。

 
出来た人は出来ない人へ。

 


最後に杉山さんから締めの一言。


「講師は"取扱説明書"です。
困った時、やりたいことに助言はできるけど、講師から何かすることはないからね。
19日まで、一緒に頑張りましょう!」

 


時間に限りがあるので、急ぎ足での講座でしたが、
音響講座はこれでおしまい。
今度は稽古と作業で実践です!


次回は、照明講座。
お楽しみに!

講師プロフィール


演出家:後藤 香
1967年、大分県佐伯市生まれ。劇作家・演出家・役者。1990年、座”K2T3結成、座長を務める。同劇団のほぼ全ての作品に出演、演出・脚本を手掛け、外部作品にも多く携わる。2008年からフリーに。大野城市まどかぴあ こどもミュージカル演出、男女共同参画推進センターアミカス 劇団アミカス講師など、子どもや演劇初心者に芝居の楽しさを伝える活動に積極的に取組む。現在、春日市ふれあい文化センター ジュニアドラマセミナー講師、九州ビジュアルアーツ非常勤講師を務める。

舞台技術講座:有門正太郎
1975年生まれ。北九州市出身。飛ぶ劇場で役者として活動すると同時に舞台スタッフ(演出部、演出助手、舞台監督)としても活躍。また、富良野塾16期生として、'00年~'05年の富良野塾全国ツアーに役者兼スタッフとして参加。'05年、自らのプロジェクト「有門正太郎プレゼンツ」を立ち上げ、作・演出も担当。東筑紫学園高等学校 演劇コース非常勤講師を経て2008年4月より、北九州芸術劇場舞台機構係に配属。

音響講座:杉山 聡
1973年生まれ。東京都出身。専門学校を卒業後、20歳で音響会社(株)ステージオフィスに入社。以降9年間、国内外を問わず、「燐光群」や「伊藤キム+輝く未来」をはじめ演劇やコンテンポラリー・ダンスなど数多くの舞台に音響スタッフとして携わる。2003年4月より北九州芸術文化振興財団職員として北九州芸術劇場音響係に配属。

照明講座:大久保 望
1973年生まれ。北九州市出身。小倉市民会館照明係として勤務したのち、株式会社九州共立入社。九州厚生年金会館ホール管理を経て2003年4月より北九州芸術文化振興財団職員として北九州芸術劇場照明係に配属。主に劇場主催公演の担当を行うとともに財団主催「わたしの青い鳥」の照明オペレーターとして2年目より参加。

制作講座:北村 功治
1972年生まれ。佐賀県出身。1994年に北九州市を活動基盤とする劇団「飛ぶ劇場」に入団。以降、役者として10数年活動した後、2005年ごろから劇団の運営などに関わりながら、自身の創作ユニット「北中」を立ち上げ活動を行なう。2006年に飛ぶ劇場の専任制作を勤め、2008年に飛ぶ劇場を退団。退団後は、引き続き飛ぶ劇場の公演制作や劇団二番目の庭のプロデューサーを担当する傍ら、地域の劇団向けの制作講座の講師や北九州演劇フェスティバルの事務局員を勤めている。身長:186cm・体重:100kgの小劇場界最大級の制作者である。

局長:泊 篤志
北九州芸術劇場の学芸ディレクターとして、シアターラボ企画を立ち上げ、ラボ初年度は演出も務める。劇作家・「飛ぶ劇場」代表。