2012.02.14 17:07
作・演出 柴幸男さんインタビュー[前編]
いよいよ「テトラポット」開幕まであと6日!
お稽古も大詰めに入ってきました。
本日と明日は、2日間に渡って柴幸男さんのスペシャルインタビューをお送りします!
現在のお稽古の事なども交えつつ、様々な角度から「テトラポット」の魅力についてお話頂きました。
■北九州に来て約1ヶ月、まちには慣れてきましたか?
そうですね。始めの方は旦過市場で野菜を買って、ご飯を作って食べたりもしてたんですよ。
今はちょっと忙しくなってきちゃったので出来ていませんが(笑)。
■柴さんが北九州で好きな場所、はありますか?
僕はやっぱり川が凄く好きで、稽古に来る時はTOTOの工場の方から勝山公園あたりまで川沿いを自転車で走
って来るんですけど、それが凄く気持ちいいです。
■昔から川がお好きなんですか?
実家が川の傍だからっていうのもあると思うんですけど、以前、東京の多摩川沿いを走る電車の中でお芝居
をやる企画があって。その時に実際に多摩川沿いを歩いてみて、川が出てくる話を書いたんです。そこから
だんだん自分にとって川とか水とかの近くに住むことが気持ちいいし、快適なんだなって事を思い始めまし
た。多摩川の駅にも小さな古墳があったんですが、昔は水道とかも整備されてないし、もともと人って水の
近くにしか住めないんですよね。
北九州は、リバーウォークと紫川があるだけで相当僕の中でポイントが高いんですよ(笑)。
■「テトラポット」も水=海が舞台になっていて、製作発表の際には3.11との関連性についても語ってくだ
さいましたが、柴さんは3.11をどのように体験されたのでしょうか?
僕は地震自体をリアルタイムで感知はしていないんです。
ちょうどその時岐阜県で市民劇を創っていて、岐阜も結構揺れて周りは皆気づいたらしいんですけど、僕は
一切分かっていなくて。それでふつうに稽古をしていたら、終わった頃にはテレビの映像とかが凄い事にな
ってた...という感じで。
でもその後だんだん情報も入ってきて、自分も東京に帰ってから、例えば"モノがない"とかいう事は凄く
あったんですよね。あと停電の問題とか。そういう間接的な被災と、直接的な地震の被害の映像とが、なか
なか自分の中で折り合いがつかなかったんです。映像としては見るけど自分の目の前にそれはないし、凄く
断絶しているというか、どこでその状況が起こっているのか?っていうのがあって。
それでどうしようかなと思っている時にちょうどバスの便数が増えてきたので、実際にいわきに行って以前
お世話になった方に会ったり、映像で見ていたものにかなり近い被害の状態を見たりしました。そのあたり
の事がぐちゃぐちゃに混ざりながら、結論が出る訳ではないけれど、今回の作品にも出てきちゃったという
感じですね。
■柴さんはこれまでの作品でも誕生と消滅、生と死―について描かれる事が多かったですが、3.11以降
何か死生観に対する変化や、作品への影響はありましたか?
何かが生まれて何かがなくなる―ことさら死を取り扱おうって事はなくても、突き詰めるとこれまで死ぬ話
しかやってこなかったんですけど(笑)、今回はいつもと反転してると思うんですよね。
「わが星」の感想で凄く面白かったのが「よし!じゃあ死のう!」みたいな感想があって。それは死ぬのが
怖くないというか、死をどうやって受け入れるかっていう事だと思うんですね。もともと「わが星」では、
人が死ぬ事じゃなくて、自分が死んで消える事への肯定っていう事をやっていたので。
今回の「テトラポット」でも、一個一個の死が大きな意味を持たずシュッと死んでたりするんですけど、今
までは死ぬ事で終わっていた話が、今回はもう一度生き直すというか、生きる方へともう一回押し出される
人の話になっている。今までは死を受け入れたり、落ち着かせたりしている人の話を書いてましたけど、今
回はまだ死んでない人、生きなきゃいけない人達の方を書こうとしてるんですよね。
最初は同じつもりで書き始めてたんですけど、後々だんだん出来上がってくると、今まで書いてきた傾向や
作品と反転しているな、と思いました。
【後編に続く】
2012.02.03 18:03
稽古場レポート
皆さまこんにちは、広報です。
先日から随分と寒さが増してきましたが、風邪などひかれていませんか?
テトラポット初日まであと2週間とちょっと。
稽古場は日に日に熱さを増しております!
先日の製作発表のブログで"海の底に沈んだ教室が舞台"という事を
お伝えしたかと思いますが、
"あるもの"の登場で一気に稽古場が教室っぽくなりました。
そうです、昔懐かしい机と椅子です!
しかしなぜ倒れてしまっているのでしょうか...?答えは公演にて(笑)。
お稽古の方も日々順調に進んでおります!
最初は1つのシーンを繰り返す...という形のお稽古だったのですが、
最近はそのそれぞれのシーンを繋げて行うお稽古が行われているので
舞台のスピード、リズムをより一層感じられるようになりました。
(写真左)ご自身の出番でない時も、傍らから真剣に見守るキャストさん達。
(写真右)とあるワンシーン。奥から見つめる大石さんの視線が気になります...。
そういえば先日、舞台美術の模型を見ることが出来ました。
A3位の箱の中に本物さながらの模型が造られていました。
皆さんが劇場に足を踏み入れた途端
一気に物語の世界へワープして頂けるのでは?と今から楽しみです。
と、舞台の細かな内容についてはあまりお知らせ出来ないため
ここで少し稽古場のご紹介をしてみたいと思います!
まずこちら。
キャスト紹介リレーで「ケータリングのチョコの消費量が...」なんて一節があったかと思いますが、
稽古場の脇にはこちらのケータリングコーナーがあります。ちなみにこの日は差入れをいただいたの
で、いつもより豪華バージョンです(笑)休憩時間にはここで一息ついたり、これが美味しい~なんて
教えあったりと和気あいあい。
メディアに紹介された記事なども貼ってあります。皆さんにもこれから様々な場所で目にしたり、
耳にしたりして頂けるかと思いますので、ぜひチェックしてくださいね!
そうそう。稽古場の片隅には、製作発表の際に登場したテトラポットが...。
正式名称は「テトラぐるみ」。写真では認識しにくいのですが、実は2色あります。公演の際にはどこか
で目にして頂けるかも!?(なかったらゴメンナサイ...)
その他、稽古場の床にはテープが貼ってあったりも。
【B】は"バトン"のB。バトンとは、劇場の天井にある照明などを吊る棒の事で、公演が行われる小劇場
と稽古場では構造が異なるため「実際はこのあたりから照明があたる」とか、そういった目印になるのです。
ひとつの舞台というのは、本当に色々な人が関わって、色々な想いが寄り添って
出来上がっていくんだな、とそんな事を改めて感じている今日この頃。
そしてもちろん舞台の最終形は、足を運んでくださる皆さまがいてこそ出来上がります!
ぜひ劇場でお待ちしております。
★北九州芸術劇場プロデュース「テトラポット」公演情報はこちらから
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2011/0221tetrapod.html
2012.01.27 11:56
稽古場レポート
皆さまこんにちは、広報です。
キャスト紹介リレーの方、楽しんで頂けていますか?
皆さん毎日一緒にお稽古をされているだけあって
これまで知らなかった新しい一面を知ることができ、私も非常に楽しく拝見しています。
引き続きお楽しみに!
ちょっと見ない間にもう稽古用のセットが組まれていますよー!!
セットが組まれた事で、よりお芝居にもリアリティが生まれてきています。
何と言いますか、空間が定まった事でイメージがわきやすくなり、
キャストさんがより自由に、ナチュラルに動かれている気がします。
柴さんの演出も、熱がこもりっぱなしです。
セリフの言い回しや強弱、一挙手一投足にまで細かな演出がつけられ
キャストさんはみるみる吸収。
この計算ともいうべき細かな演出の積み重ねによって
精密で壮大で、それでいて私達の心に自然と入ってくる、
そんなお芝居が出来上がっていくのですね。
以前柴さんがお稽古に関して、
「間違ってもいいから、とにかく止まらないで。
あなたが間違っても他の人の時間や物語は流れ続けているんだから、
自分のミスで勝手に時間を止めないこと。
そのミスは次の回で取り戻せばいいだけ。常に前に前に進んでほしい」
というような事を仰っていて、私はいたく感動したのですが、
その柴さん精神があるからか、お稽古場は本当にGO FOWARD=前に進め!
なエネルギーに満ちている気がします。
さて、いよいよテトラポット公演まであと1ヶ月を切りました!
チケットも好評発売中ですので、良い席はお早めにお求めくださいね。
★北九州芸術劇場プロデュース「テトラポット」公演情報はこちらから
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2011/0221tetrapod.html