2014.02.17 18:17
彼の地の舞台をめぐる旅②
こんにちは!広報・松本です。
先日の皿倉山レポートに続いて、今日は「彼の地」に登場する北九州市小倉の町の様子をお送りしたいと思います。小倉駅を出発し商店街を通って、小倉城を目指します!
まずは小倉の中心、小倉駅。
地元の人間からみると見慣れているモノレールがある光景も
外から来た人は「小倉っぽい」と感じるそうです。
小倉駅を出てすぐ、右手側にあるこの通り。
昼間は人通りも少なく閑散としていますが、夜になり灯りがともると一変。賑やかな世界へと変貌します。居酒屋や、ビジネスホテル、ポルノ映画館などが雑多に立ち並ぶ、この猥雑さが小倉を感じさせます。小倉で育った私は、小さいころからこの通りには近づいてはいけないと言われてきました。ですので、実は今でもこの通りを通るのはかなりドキドキします。
こちらの居酒屋・白頭山は地元演劇人たちがよく集っているお店。なんと1杯100円のビールサーバーがあります!公演終わりに立ち寄ってみたら演劇関係者に遭遇するかもしれませんね。
白頭山の通りを挟んだ向かい側の路地にあるのは、ストリップ劇場A級小倉。
なんと、桑原さんやキャストも作品のイメージ作りのためにここを訪れたそう。
ここも小倉っぽい風景...!?
駅を出て右手に曲がらずまっすぐ行くと、すぐに商店街が見えてきます。
この商店街の入り口にある「ベーカリーシロヤ」は創業60年以上の老舗、行列が絶えないパン屋さんです。サニーパン(70円)やオムレット(35円!)など人気商品がありますが、私のおすすめはミルクパン。中に練乳が入っていて絶品です!
中央商店街の先、魚町銀天街を抜けると旦過市場へとたどり着きます。
旦過市場は大正時代の初めに、近くの神獄川で玄界灘からの魚を運んでいた船が、当時湿地帯だったこの場所でいわしの売買を始めたことが始まりだと言われています。この市場で多く見かけるのが小倉名物「いわしのぬか炊き」。ぬかのことを「じんだ」とも言うことから地元では「じんだ煮」の呼び名で親しまれ、学校の給食にもしばしば登場する小倉っ子おなじみの味です。
市場の中にはなんとクジラの専門店までありました!
旦過市場は総菜や生鮮食品が豊富なことから、いつも主婦の方や仕事帰りの方で賑わっています。通りを歩いていると「今日はぶりが入ったよー」などといった会話が聞こえてきました。お店の前で店主と相談しながら夕飯のメニューを決める、そんな昔ながらの光景があちらこちらで見られます。旦過は地元の人たちの食を支えている、「小倉の胃袋」と言えますね。
そして北九州の食文化として忘れてはいけないものがもうひとつ。
それが屋台の「おでん」です。
大根や、卵、タコや銀杏まですべて串にささって出てきます。冬の寒い日に屋台で食べるおでんは格別!小倉の屋台の特徴は2つ。1つめはお酒を出さないこと。お酒を飲みたい人たちは自分で買って、持ちこんで飲むというスタイルが定番です。そして2つめはこちら!
小倉の屋台にはおはぎが置いてあります。
あまりにも昔から置いてあるために、なぜ「おはぎ」なのかは分かりませんが、
「おでんの締めにおはぎ」これが小倉の定番です。もちろんおはぎだけの持ち帰りも可能だそう。
たまたま隣に居合わせた人と一緒に飲んで、仲良くなる。そんな体も心も温まる小倉の名物です。
さて、旦過市場を抜けて、小倉の市街地を流れる紫川を渡ります。川の向こうには北九州芸術劇場が入っているリバーウォーク北九州が見えてきました。「彼の地」の稽古期間中、小倉で生活しているキャストの皆さんも、毎日この景色を見ながら劇場に通っています。
橋の上から市街地とは反対側の海の方角を見てみると工場の煙が見えました。
町の中心から山や、海、工場地帯の景色が見える。
ほんの少し移動するだけで、町の表情がガラッと変わるのも北九州の特徴なのかもしれません。
橋を渡りきって最後にご紹介するのは、リバーウォーク北九州の隣に立つ小倉城。
小倉城は1602年に細川忠興によって築城され、小倉の町はその城下町として発展しました。豆知識ですが、この石垣は野面積みと言って小倉の山や海から掘り出した岩の形を整えることなく造られています。400年前の人たちが石を運び、お城を築城する様子が目に浮かぶようです。
そして皆さんご存知でしたか?この小倉城近辺、実は猫たちのたまり場になっているのです。
みんなカメラを向けると最高の決め顔をしてくれます!ほら!!
小倉の町を歩きながら、「彼の地」の登場人物たちも
私たちと同じように今日もこの町のどこかを歩き、同じように泣いて、笑って...
交差点や、商店街の中、小倉城の裏など、何気ないいつもの場所で
もしかしたらふっと彼らとすれ違っているのかもしれない...そんなことを感じました。