2016.01.06 20:44
世界みて 月夜に吠える その日まで 伏し目がちでも 見るものは見る
尾崎 宇内(無隣館)
※タイトルは初演の時、飲み屋で皆に詠んでもらいました。
▼「彼の地」での役どころを教えて下さい。
【アツキ】
神尾というヤクザの弟分で、病気の兄と働き者の母をもつ。
▼役柄についてどのような人間だと思いますか。
非常に不器用な人間ですね、彼は。
ヤクザなのに家族のことが頭から離れずに、常に不安定なところを行ったりきたり、ゆらゆらしていて。でも決して、自分の選んだ道を悔いないタイプだと思います。
▼初演「彼の地」について印象深いエピソードがあれば教えて下さい。
とにかく楽しかった思い出しかないですね。皆で門司港に行って海鮮丼食べたり、ストリップを見に行ったり...。もちろん、稽古場で戯曲に誠実に向き合っている時も。でも1番はやっぱり、皿倉山に登ったことですかね。頂上で皆でガタガタ震えながら(笑)あの景色と寒さは一生忘れられません。
▼今回再演にあたり、出演が決まったときはいかがでしたか。
狂喜乱舞でした。
▼桑原さんはどんな方ですか?
『雪』のような方ですね。
彼女の言葉が積もれば積もるほど、景色と温度が変わり、多くの人に影響力のある方なので。同時に、触れたら溶けてしまいそうな、淡く繊細な一面も含めて。秋になって冬が近づいて、また降るのが待ち遠しくなるような、本当に素敵な方です。
▼北九州の「お気に入り」を教えて下さい!
おそらく僕しか通っていないであろう、とある定食屋です。
お気に入りなので、店名は内緒です。
▼意気込み&メッセージをお願いします!
今回、再びこの作品に関わることが出来て、本当に嬉しく思っています。1年ほど前に出演が決まってから、この公演を見据えて、まるで劇団の本公演のように照準を絞ってきました。再演というものは非常に怖いもので、どうしても前回のものをなぞってしまいがちです。そういったものを捨てる意味でも、新作をまた作るつもりで臨もうと思います。初演の時の鮮度と爆発力は、決して失いたくないので。そして、2年振りに再会するメンバーが、それぞれのフィールドで経験してきたことを互いに刺激し合えることが、何よりの楽しみです。初演をご覧になった方もそうでない方も、北九州の方も東京の方も、1人でも多くの方にご覧になって頂けたらと思います。