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2009年12月18日 15:13

エンゲキで私イキイキ、地域イキイキvol.03

『みつけた、新しい物語!絵本を作ろう、絵本を読もう。』 1日目

講師/上田真弓 会場/修多羅市民センター

2009年11月28日(土)

今回は若松駅からほど近い修多羅(すたら)市民センターでのワークショップです!
修多羅地区にある高塔山には「カッパ伝説」があり、修多羅市民センターのシンボルにもなっています。

市民センターの外観もどことなくカッパのよう!?

今回も北九州市外より講師がやってきました。

上田真弓さんです。南の島、沖縄から来られました。
今回は「絵本を作ろう!」という事で、1日目は体を使って、2日目は実際に紙に絵を描いて絵本を作ろうというワークショップです。
まず1日目は物語と遊んでみようという事ですが・・・。
暖かい沖縄と違って今日は特に気温が下がり、みんなそろって「寒い!!」
という事で、まずは身体を温めてほぐすために動きましょう!

輪になって肩を叩きます。最初はグーで次にチョキ

トントントントン、「パー」の時は頭のマッサージ。

2人組で背中合わせ。
お互いに頼りながら、手を使わずに座ったり立ったりします。

手はつかっちゃだめですよ!

せーの!!

やったー!!
みなさん最初はタイミングがつかめずに苦労していましたが、呼吸を合わせるとだんだん上手になってきます。

今度は「仲間あつめ」というエクササイズをしまーす。
「北九州と言えば!」と真弓さん。
みんな心に思い浮かべた言葉が同じ人同士でグループになります。
意外といろんな答えが出てきてグループになりません。
ではみなさんの答えを聞いていきましょう。
「若戸大橋!」
「ぬかだき」
「焼うどん」
「祇園太鼓!」
「小倉城!」
「なんだかまだ分かりません」
・・・、いろんな答えが出ています。
では続いて、2チームに分かれてゲームです。
「名前のあいうえお順!!」
早く並んだ方が10点!でも間違えて並んじゃうとマイナス10点です!!

どちらが早く並べるかな?
今度は「手のひらの小さい順!!」

ちゃんと小さい順に並んでますか?
きちんと確認しないといけません、間違っていたらマイナスですよ!!
勝負は厳正に!キチンと判定します。

大丈夫!!
勝ったチームには負けたチームの方からの「褒め言葉」のご褒美がありました。

次は4~5人のグループで「サンキューゲーム」をします。
まず2人でポーズを取ります。次に別の1人がどちらかの人に触れてポーズを取ります。触れられた人は「サンキュー」と言ってその場から抜けます―以下繰り返しのゲームです。
写真で見ると、中央の2人のどちらかに左の方が触れようとしていますね。

さあ、どちらとポーズを取ろうかな?

残った人は抜けた人がいた時と同じポーズを取り続けなければいけません。
だんだん、不思議な形になってきます。

 

こうなると次の人もどうしたものやら?

お昼休みが終わったら今度は即席でグループを作ります。
「1人でカッパ」
「2人で大工」
「4人で山」
「5人で北九州といえば」
などなど、集まって即席で表現します。

まず集まって、
これは「4人で山」です。

山ですよ!山!見えますよね?

今度はグループに分かれて、若松区ゆかりの作家、火野葦平さんの「石と釘」を真弓さんが朗読して、その話を元に印象に残ったシーンをグループで再現し、立体挿絵を作ってみます。

「石と釘」は修多羅地区の高塔山に伝わる「河童地蔵」にまつわるお話です。
グループで作った場面をデジカメで撮影、それを合わせて物語通りに並べてスクリーンに映し、見ながら足りないシーンをみんなで作り足していきます。

では、その中の写真の一部を使って「石と釘」オリジナル絵本のご紹介です。

昔々、修多羅地区では河童同士が争い田畑が荒れてしまい村の人々はとても困っていました。

ある時1人の山伏が河童を封じようと、鍛冶屋に太い釘を作ってもらい、お堂でお地蔵さまに向かって祈祷を始めました。
河童たちは祈祷をやめさせようと

金銀財宝を修験者の周りに積み上げてみたり

絶世の美女に化けて山伏を惑わそうとしました。
ところが山伏は一向に祈祷をやめようとしません。
ついにお地蔵さまが豆腐のように柔らかくなり、修験者は釘を打ち込みました!

河童たちは最後の手段とばかりに山伏に襲い掛かります。
山伏は必死に釘を打ち込みます。
そしてついに!

山伏は倒れ込みましたが、同時に河童たちもドロドロの青い汁になって崩れて行きました。
こうして、村には平和が戻りました。
高塔山の地蔵さまの背中には今も太い釘が刺さっています。

さて、いかがでしたか?
物語を自分の身体で作ってみて、みなさんも楽しかったと言われていました。
明日はいよいよ、自分だけの絵本を実際に作ってみます!

講師プロフィール


南波 圭
なんばけい/俳優。大学卒業後NINAGAWAカンパニーを経てフリーに。蜷川幸雄演出作品やチェルフィッチュ、指輪ホテルなどの前衛的な作品になどに出演する一方、演劇ワークショップに関わり始める。子供からシルバー世代、障害を持った人たちなど、幅広い方々との多彩な演劇づくりに励んでいる。また、地元群馬県でお母さん世代と「かかあ祭り」をやるべく、ただいま画策中。

上田真弓
うえだまゆみ/大阪生まれ広島育ち。大学入学を機に沖縄へ。地元の劇団で演劇活動を始める。演劇企画「魚の目」を経て、フリーで劇作、演出、舞台・映像への出演を行う。ほかに、子どもたちのための演劇ワークショップや、一般の人のための朗読講座、表現ワークショップ。「ホエタマカイの夜」(98年)で沖縄市戯曲大賞佳作受賞。ウニココ楽団代表。珊瑚舎スコーレ講師/沖縄国際大学非常勤講師 ウニココ楽団 http://web.mac.com/unicoco/

多田淳之介
ただじゅんのすけ/1976年生。東京デスロック主宰。青年団演出部所属。「演劇LOVE」を公言し、演劇の幸せを宿志とし活動中。現代口語演劇から身体表現まで幅広く作品を手がけ、身体への負荷を利用した演出が特徴。海外での創作、国際演劇祭ディレクター、地域・教育機関へのアウトリーチなど、国際・教育・地域を軸に活動を行う。東京デスロックは2009年より東京公演を休止し、埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみのレジデントカンパニーとして活動中。

吉栁佳代子
きりゅうかよこ/1975年生まれ・福岡県飯塚市在住ドラマティーチャー(表現教育家)・九州大谷短期大学非常勤講師・劇団翔空間 俳優・(特非)こどもと文化のひろば わいわいキッズいいづか事務局 ‘97年より演劇的手法の一つである「ドラマ」を用いて子ども達・おとな達と共にコミュニケーションから創作・創造への演劇活動を展開。小学校・NPO団体など北九州を始め県内を中心に実践多数。

有門正太郎プレゼンツ(有門正太郎・加賀田浩二)
ありかどしょうたろう/有門正太郎プレゼンツ主宰、1975年生。倉本聰主宰「富良野塾」、泊篤志代表「飛ぶ劇場」所属。役者として様々なツアー公演など参加する傍ら高校演 劇専科の講師経験を活かし、北九州芸術劇場「出前ワークショップ」「チャレンジ!えんげき09」の総合演出も務める。様々な人と出会い皆を満点の笑顔にしたいと考える。コンセプトは「日常的要素を持ち込み演劇的エッセンスを加えることで、より親しみ楽しんでもらおう」。

F’s Company(フーズ・カンパニー)福田修志
ふくだしゅうじ/F’s Company代表・劇作家・演出家。1975年生。長崎市出身。人の脆さを描いた作品や、『今の長崎』をモチーフにした作品を生み出している。「演劇を長崎の娯楽のひとつに」という想いから、どの作品にも必ず笑いを誘う要素を盛り込み、気軽に演劇を楽しめる環境作りにも取り組んでいる。昨今では、地元長崎の市民参加舞台において演出補佐を務めるなど演劇初心者への演劇ワークショップ的な指導も行っている。

柏木陽
かしわぎあきら/演劇百貨店代表/演劇家。1993年、演劇集団「NOISE」に参加し、劇作家・演出家の故・如月小春とともに活動。2003年にNPO法人演劇百貨店を設立し、代表理事に就任。全国各地の劇場・児童館・美術館・学校などで、子どもたちとともに独自の演劇空間を作り出している。近年の主な仕事に、兵庫県立こどもの館や、世田谷美術館での中高生向けワークショップの進行など多数。青山学院女子短期大学、大月短期大学、和光大学等で講師もつとめる。