月1ダンス部2008

北九州芸術劇場 学芸ブログ

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2008年07月15日 14:32

踊りの楽しみを味わう。

進行/中村恩恵
2008年8月2日(土)@北九州芸術劇場・稽古場

ダンスを踊ったことのない私がワークショップに参加・・・できるのかな?
と不安を抱えつつも稽古場へ。まずは参加者全員で円になって一人ずつ自己紹介。

ストレッチをしつつ、少しずつ身体を動かし、身体を感じてみる。
『身体を感じる?』
身体のここの部分を使っているんだよ。と自分に意識させ、どんな風に動いているのか、どんな感覚なのかを感じてみること。

 

・・・少し想像してみてください・・・

「まず、仰向けに寝て、海辺の砂浜の上にいることを思い浮かべます。
そのまま砂浜の砂を右手ですくって高く上げ、上げたらその砂を少しずつ落とし、手が軽くなるのを感じながら、手も砂の上に下ろしてみて下さい」

 

普段何気なく出来ている動作も、意識してみると、どんな感じだった?砂ってどれぐらいの重さなんだ?どうやったらすくえるの?どんな手触りだった?砂は湿ってる?乾いてる?色んなことを想像して、今までの経験を思い出しながら動かしてみる。
普段手や指を意識することがないので、とても不思議な感じです。

中村さんの優しい口調で進んで行くので、とっても落ち着きます。
スタートはみんな同じなのに砂をすくって落とす動きや、速さが一人ひとり違っていて、感覚や時間も違うみたいです。
砂をすくう量も人によって違うのかも。

次は『ラインゲーム』。周りの人の動きを感じつつ自分で考えて動いて行きます。
8人ずつのグループを作って1列に並び、前に歩いたり後ろに歩いたり、立ち止まったり、座ってみたり、隣の人が先に歩いて行ってしまったから、後ろからゆっくり付いていってみようかな。次は抜かしてみようかな、等など。みんな違う動きをするのだけど、周りの人の動きや気配を感じることで、つながりがあるように思えてきました。

0715-2.jpg

 

私が一番楽しかった『相手にギフトをあげてみる』。
2人1組になって、片方が目を瞑り、片方が相手に触らないように動きで気付いてもらう。手で風を送ってみたり、足音を立てたり、背中に回ってみたり。ギフトを渡したいのだけど、なかなか気付いてもらえなくて、でも本当は気付いているんだけど、もうちょっと目を瞑っていようかというやり取りが楽しくて。
目を瞑ってしまうと周りのことが分からないって思っていたのですが、人の気配ってよく分かる!!これは驚きました。風の動き・体温・足音・呼吸とか、普段は意識していないことを意識することによって感じられるようです。


手で風を起こしてみたり、身体の側に寄ってみたり

ダンスってしたことないから付いていけないかも、と思っていたのですが、とっても楽しかった!ちょっとみんなで身体を動かしてみようよ!というぐらいの入り込みやすさ。

私とペアを組んでくださった方、本当にありがとうございました。

講師プロフィール


乗越たかお
作家・ヤサぐれ舞踏評論家。海外でも翻訳され、ベストセラーとなった「コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER」(作品社刊)は多くの大学でも採用され、世界最高のダンス・ライブラリ、NYリンカーンセンターをはじめ、パリのCentre National de la Danse(CND)にも収蔵されている。他に「ダンシング・オールライフ~中川三郎物語」「ドメイン~熊川哲也120日間のバトル」(ともに集英社)、「アリス~ブロードウェイを魅了した天才ダンサー川畑文子物語」(講談社)など著書多数。06年にニューヨークのジャパン・ソサエティからの招聘を受けて滞米研究。07年イタリアのダンス・フェスティバル『ジャポネ・ダンツァ』の日本側ディレクターを務める。現在は月刊「シアターガイド」、月刊「DDD」などで連載中。

中村恩恵
横浜生まれ。舞踊家。1991年から現代の舞踊界のリーダー的なカンパニー、ネザーランドダンスシアターで主要ダンサーとして踊ったのち、オランダをベースにフリーの舞踊家として活動。近年では自らの舞踊活動のかたわら、キリアン作品のコーチとしてパリオペラ座をはじめ、世界中のバレエカンパニーやバレエスクールで作品指導にあたる。07年、横浜に舞踊活動の拠点として、Dance Sangaを設立。

坂本公成
福岡県出身。大学で美学と人類学を学ぶ。’90年にMonochrome Circus結成。音楽家の野村誠や、山下残など複数のアーティストと活動を共にする。’96年「ダンスの出前」で有名な「収穫祭シリーズ」を開始。フランス、ドイツ、リトアニア、韓国、などでの、劇場、美術展から福祉施設、学校など、上演は国内外300回を越える。舞台作品でも、’00年の「リヨン・ビエンナーレ」で紹介されるなど、17ヵ国27都市で作品を上演。Monochrome Circusは昨年度から京都の老舗小劇場『アトリエ劇研』のフランチャイズ・カンパニーとして新たな活動を開始。一方、2008年で13周年を迎える「京都国際ダンスワークショップフェスティバル」のプログラム・ディレクター。京都芸術センター主催『Coaching Project』プロデューサーなどダンサー目線に立ったprojectから多くの若手ダンサーを育てている。

森裕子
日本一小さいコンテンポラリーダンサー。が、その小ささを感じさせない大きな空間と透明感のある動きが魅力。’93年にMATOMA France-Japonに参加以降、アヴィニヨン演劇祭など海外の大きな舞台に立ち続ける。’96年よりMonochrome Circusに参加。以降同カンパニーで振付・ダンスに活躍する。コンタクト・インプロヴィゼーションの指導者としても全国各地、海外でも活躍している。

じゅんじゅん
学生時代よりマイムをを始める。その後コンテンポラリーダンスでの活動も開始。ソロ作品を発表するほか、岩淵多喜子、伊藤キムらのダンス公演にも多数出演。パフォーマンスシアター水と油を創設メンバー。水と油のメンバーとして、結成の1995年から一時休止の2006年3月までに国内22都市海外9ヶ国22都市で公演を行う。生まれ持っての空間を捉える才能と、独自の身体の動きでダンスファンのみならず多くの観客を魅了してきている。2007年、横浜ダンスコレクションR横浜ソロ×デュオ<Competition>+にて『審査員賞』受賞。その他、世田谷パブリックシアター野村萬斎演出の『国盗人』やNHKドラマ『トップセールス』におけるダンスシーン振付・出演など演劇やテレビ等の分野にも活動の場をひろげる。ダンスラボ2007「迷路のつくりかた」(2007年9月北九州芸術劇場 企画・製作)振付・演出。