月1ダンス部2008

北九州芸術劇場 学芸ブログ

HOME » 月1ダンス部 » 月1ダンス部2008 » ダンス作品って何だろう?~基礎編Ⅰ

カテゴリー

月別アーカイヴ

ブログ内検索

2009年01月09日 17:19

ダンス作品って何だろう?~基礎編Ⅰ

ダンス作品って何だろう?一緒に踊りながら考えてみよう。
進行/じゅんじゅん
2009年1月9日(金)基礎編Ⅰ@北九州芸術劇場・稽古場

明けましておめでとうございます。
今年も始まりました「月1ダンス部」。
ダンスラボ2007「迷路のつくりかた」(撮影:平野愛)今月からは、ダンスラボ2007「迷路のつくりかた」(2007年9月 北九州芸術劇場 企画・製作)で振付・演出も行ってくださいました、じゅんじゅん氏。「迷路のつくりかた」私も拝見しましたが、想像していなかった舞台空間作りと、えっ??という驚きと楽しさがある、魅力的な舞台でした。
写真:ダンスラボ2007「迷路のつくりかた」(撮影:平野愛)

ダンス作品って何だろう?が今回のテーマですが、聞かれると難しいですね。観客が居ると作品?鼻歌を歌いながら体を揺らしたりするのもダンスかもしれない・・・ダンスにもいろいろなジャンルがある・・・と考えていると、じゅんじゅん氏が一言「自分は全く気にしていない」そうです。「面白いことを探っていくことを皆でしたい。それぞれ探すことがダンスを知ることであり、正解はないんだ!」と力強いお言葉。
それを探るために「ナビゲート役=じゅんじゅん氏」のワークショップが始まりました。

□イメージの海で泳ぐ・遊ぶ□
ウォーミングアップは歩くことから。早く・ゆっくり・後ろ向き。どんどん体を温めます。

1月9日(金)ワークショップ風景円になって「震源地」ゲーム。
一人が鬼役で、残りの人の中から震源地を選びます。震源地になった人は、好きな動きをし、それを鬼以外の人がみんなマネをします。
鬼は円の真ん中に立って震源地になった人を探します。
震源地の人の動きを周りがマネをするので、一瞬動きが遅れたり、左右を間違えたりするから見破れそうなのですが、なかなか難しい!見つけられないと、踊りながら自己紹介という、
罰ゲーム・・・いや・・素敵なゲームが待っています♪

次は「だるまさんが転んだ」ゲーム。
子供の頃よくやりました!みんな楽しそう。
1月9日(金)ワークショップ風景
30秒以内に鬼にタッチをします。ここまでは普通ですが、鬼は「だるまさんが転んだ」と声には出しません。タッチする人は鬼が振り返りそうになるタイミングや、体の動きを察知し立ち止まります。一瞬でも気を抜くと、すぐにアウトですね。
1月日9(金)ワークショップ風景 忍び寄ってくる人影が怖い。

1月9日(金)ワークショップ風景この後、「エア」だるまさんが転んだをしました。エアということで、鬼がいません。横の人の動きを感じて立ち止まったり、進んだりします。
これは周りをよく見て、感覚を掴んでいくものです。自分がその集団を導く役になったり、引っ張られたりと駆け引きが楽しめます。
透明の鬼がいる⇒


ここでしばしの休憩。


1月9日(金)ワークショップ風景じゅんじゅん氏がたくさんのCDを持ってきて下さいました。
ポップなものからクラシックまで。
動きに合わせ、選んでくれます。
バッハ大好きです。

後半は、前半の振り返りから。
「ダンスとは過程があって出来上がるものであり、興味を持ったり、自分でやってみようと思うことから始まる。けれど踊りってこんなものだ。これだよね。という正解はなく、自分が持っているものを出すことが大事。
例えば、野球選手やサッカー選手などプロの人々も子供のころは、お稽古としてスポーツを始めたのではなく、遊びだった。そしてその上でどうやったらうまく投げられるか、とかボールを蹴れるかと遊びながら考えていた。その中で自分のやり方を見つけ、自分なりの答えを導き出して今に至っている。悩んだりすることは大事なことであり、悩み抜いた中で自分の答えを出していけたらいいんだよ。」 (じゅんじゅん氏)

□イメトレ□
雪を踏む。
1月9日(金)ワークショップ風景
ぎゅっぎゅって雪の音がしますか?
ゼリーの中を泳いでみる。

1月9日(金)ワークショップ風景
ゼリーを掻き分けている?

ピザを運ぶ。
1月9日(金)ワークショップ風景
手にピザを乗せています。落ちそう?
1月9日(金)ワークショップ風景
ピザが飛んでいきそうな速さなので、カメラも追えません。

今日はここまで~。
色々なイメージをしたことで、脳内が活性化されました!

講師プロフィール


乗越たかお
作家・ヤサぐれ舞踏評論家。海外でも翻訳され、ベストセラーとなった「コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER」(作品社刊)は多くの大学でも採用され、世界最高のダンス・ライブラリ、NYリンカーンセンターをはじめ、パリのCentre National de la Danse(CND)にも収蔵されている。他に「ダンシング・オールライフ~中川三郎物語」「ドメイン~熊川哲也120日間のバトル」(ともに集英社)、「アリス~ブロードウェイを魅了した天才ダンサー川畑文子物語」(講談社)など著書多数。06年にニューヨークのジャパン・ソサエティからの招聘を受けて滞米研究。07年イタリアのダンス・フェスティバル『ジャポネ・ダンツァ』の日本側ディレクターを務める。現在は月刊「シアターガイド」、月刊「DDD」などで連載中。

中村恩恵
横浜生まれ。舞踊家。1991年から現代の舞踊界のリーダー的なカンパニー、ネザーランドダンスシアターで主要ダンサーとして踊ったのち、オランダをベースにフリーの舞踊家として活動。近年では自らの舞踊活動のかたわら、キリアン作品のコーチとしてパリオペラ座をはじめ、世界中のバレエカンパニーやバレエスクールで作品指導にあたる。07年、横浜に舞踊活動の拠点として、Dance Sangaを設立。

坂本公成
福岡県出身。大学で美学と人類学を学ぶ。’90年にMonochrome Circus結成。音楽家の野村誠や、山下残など複数のアーティストと活動を共にする。’96年「ダンスの出前」で有名な「収穫祭シリーズ」を開始。フランス、ドイツ、リトアニア、韓国、などでの、劇場、美術展から福祉施設、学校など、上演は国内外300回を越える。舞台作品でも、’00年の「リヨン・ビエンナーレ」で紹介されるなど、17ヵ国27都市で作品を上演。Monochrome Circusは昨年度から京都の老舗小劇場『アトリエ劇研』のフランチャイズ・カンパニーとして新たな活動を開始。一方、2008年で13周年を迎える「京都国際ダンスワークショップフェスティバル」のプログラム・ディレクター。京都芸術センター主催『Coaching Project』プロデューサーなどダンサー目線に立ったprojectから多くの若手ダンサーを育てている。

森裕子
日本一小さいコンテンポラリーダンサー。が、その小ささを感じさせない大きな空間と透明感のある動きが魅力。’93年にMATOMA France-Japonに参加以降、アヴィニヨン演劇祭など海外の大きな舞台に立ち続ける。’96年よりMonochrome Circusに参加。以降同カンパニーで振付・ダンスに活躍する。コンタクト・インプロヴィゼーションの指導者としても全国各地、海外でも活躍している。

じゅんじゅん
学生時代よりマイムをを始める。その後コンテンポラリーダンスでの活動も開始。ソロ作品を発表するほか、岩淵多喜子、伊藤キムらのダンス公演にも多数出演。パフォーマンスシアター水と油を創設メンバー。水と油のメンバーとして、結成の1995年から一時休止の2006年3月までに国内22都市海外9ヶ国22都市で公演を行う。生まれ持っての空間を捉える才能と、独自の身体の動きでダンスファンのみならず多くの観客を魅了してきている。2007年、横浜ダンスコレクションR横浜ソロ×デュオ<Competition>+にて『審査員賞』受賞。その他、世田谷パブリックシアター野村萬斎演出の『国盗人』やNHKドラマ『トップセールス』におけるダンスシーン振付・出演など演劇やテレビ等の分野にも活動の場をひろげる。ダンスラボ2007「迷路のつくりかた」(2007年9月北九州芸術劇場 企画・製作)振付・演出。