踊りの楽しみを味わう。

進行/中村恩恵
2008年8月2日(土)@大手町練習場

イリ・キリアン氏の振付『 Whereabout unknown』の一部を中村さんが踊ってくださいました。

1歩を踏み出す瞬間、その前からが舞台。
空気と一体化してそこにそっといるような、しかし風を切って情熱的で柔らかい。5分ぐらいの短い間、この空間だけ世界が変わりました。

0802-4.jpg

今回はこの振付の初めのワンシーンを体験。
1分ほどの振付を覚えるのですが、なかなか難しく身体が付いていけません。
一通り覚えてから、歩き方の練習。後ろに体重をかけて歩いてみる。前に体重をかけて歩いてみる。後ろに体重をかけると歩きにくくて、後ろに倒れてしまうんじゃないかと思って怖かったです。普段は無意識に歩けるのですが、こんな風に歩いていると赤ちゃんを思い浮かべました。立ち上がって一歩を踏み出そうとしているのだけど、尻餅をついてしまう。歩くという一つの動作、一つの動きも意味があるのだということを思いました。

中村さんが何度か言われたのですが「自分の後ろは過去だと思って歩いてみる。後ろに何か大事なものがあって、それを振り返るような、でも前には未来がある。優しい光が待っていて前に進まなければならない。」と。

壁側に手をついて後ろ向きに進んで行くという動きをしました。ちょうど中央まで歩いたら次は進行方向を向いて歩いて行く。私はなかなか壁から手を離すことが出来なかった。
壁を向いているときは過去を思っているということなので、色々と考えて。でも前に進まないと何も進まないんだなって。そんなことを考えながら歩いて、半分ぐらい歩いただろうと思って振り返ったらかなり通り過ぎていました。
他の方の動きも見るのですが、同じ動きをしていても人によってそれぞれ思いや表現が違います。過去を歩くときは恐る恐るなのに、前を向くと途端に後ろさえ振り向かずに進んで行く人、振り返ることがとてもゆっくりな人。何を思っているのかも聞いてみたいなと思いました。

先ほどの振付をもう一度やってみます。

0802-5.jpg


最後はみんなで驚かせ合い。
色々なところを歩いて、人に会ったら手を叩いたりして、相手をびっくりさせます。
でも笑顔でご挨拶。
3時間近くも一緒にワークショップを受けたのに、はっきり顔を見るということがなかったので、とても楽しかった。みなさま素敵な笑顔でした。

学芸事業とは?

北九州芸術劇場では、地域の人々とつながり、ともに育っとはていくために、学校や地域でのアウトリーチ(教育普及)活動や、作品の創造を支える専門家を育成する講座、舞台芸術を身近に体験してしてもらうワークショップなどの学芸事業を行っています。

2012年10月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

アーカイブ