ダンスの時間ですよ

 アーティスト往来プログラム
「ダンスの時間ですよ」/進行:山田うん
2012年2月4日(土) @大手町練習場 大練習室

 

今回は、ダンスをいろいろな角度から楽しんじゃおう!ということで
ダンサー・振付家で、Co.山田うん主宰の山田うんさんを迎えて、
ワークショップを実施しました。

 

踊ることはもちろん、踊っているのを見たり、
ダンスづくりについてのお話を聞く事ができました。

進行の山田うんさん(以下うん) 20120204_at-un_1.JPGのサムネール画像

うん
「今日は、見た目すごい子どもっぽい人とすごい大人っぽい人がいて、
運動も久しぶりっぽい人と意外にやっている人もいるけど、あんまり関係ないので(笑)
日ごろの自分の基準を外して楽しんでもらえればと思います!」

 

今回も定員を超えるお申し込みをいただきました!ありがとうございます。
1歳から61歳までに32名の方々にご参加いただきました。
その様子を少しご紹介します。


最初は、"踊ってみる"。
まずは身体をほぐします。

 

手足ブラブラ~

 

お尻歩き。いちに、いちに。
20120204_at-un_3.JPG

 

そして、音楽にあわせてテキトーに踊ります!

 

二人組でテキトーダンス♪
 

 

みんなでジャ~~ンプ!

うん
「ダンスは形にとらわれず、テキトーでいい!(笑)
なんか知らないけど、なんかよくわかんないけど、楽しい!みたいな」

今度は、全身を使っての全力でじゃんけん。

 

うん
「腹の底から、必要以上に真剣にじゃんけんをしてみて!」

 
じゃんけんぽんッ。

 

ぐあー、負けたーー。
 

 

加えて、全力じゃんけんに全力あっちむいてほいを追加!
ダンスなので、勝ち負けはなしで、全力で素直に相手に従います。

あっち向いて~。
 

ホイ!
 

 

今度はお互いに"鏡"なってみる。

 

 

 

次は、"木の葉"になってみる。

そして、誰かの"木の葉"を追いかける!

  

 

 

半分に分かれて、お互いに見てみる。

 

うん
「誰かのどこかをみたり、鏡になってみたりしてみる、ただ流されるのでもOK。
適当に大勢で何かを共有したり、自由に踊ってみたりしましょう。」

 

 

うん
「踊りを踊るということはやってみないとわからないという部分がある。
 最初からきちんと振付があっても、そこには絶対的な未知がある。
その未知な部分に全身投げて、そこに浸っていくという時間が
わたしにとって踊りの一番大きいな~、と思えるところ。」

 

 

踊る時間はこんな感じ。みなさん全力で踊ってました!
めいっぱい踊った後は、ダンスについて、作品づくりについて語っていただきました。

 


うん
「踊りは、言葉がまだなかったころからあったと思っている。
なんか嬉しいとか哀しいとか、
伝えると言う事とは関係なく、
叫び声みたいなものとかも含めて。

それが、言語ができて、社会ができて、ルールができて、
見るものになって、見せるものになって、だんだん形作られていく中で、
踊りという一般的なイメージができていった。
たとえば、アイドルや歌手の踊りやバックダンサーのようなもの。

でも、もともとは、最初にみんなで踊ったように、
目なんてなくても自由に踊るイソギンチャクみたいなもの。
次に踊ったものははっきり見えている。
目のある動物としてあっちこっちに意識して進めるもの。
ただただ生命の喜びというのではなく、
人間として思考するという踊りのあり方に近いものを体験してもらった。

ダンス作品をつくるときは、
後者と前者をどうにか融合できないかということをいつも考えている。
意味にならないようななんだかよくわからないことと意味のあるもの、
すごい哀しいこともすごい嬉しことも
両方一緒にまとめたいと思っている。
かみ合わないもの、矛盾するものとを身体を通して、
一緒につなぎたいと思っている。

ここで踊っているだけでは伝わらないので、
どうやったら伝わるかという言語を仲間と考える。
そのために、作品にはテーマ、音楽、ルールをつける。
60~70分くらいの作品は、1~2年という長い年月をかけて取り組む。」

 


今度は"見てみる"。

うんさんのソロ。

「Happy Birthday」

すごく、すごく、哀しことがあった時、
どうしても踊らないといけない状況でできた作品だそうです。

もう一本見てみる。
うんさん主宰のダンスカンパニー Co.山田うんの
ウォーミングアップで踊るダンスだそうです。
Co.山田うんメンバーでアシスタントとして参加のジョコピーも一緒に。
ジョコピーは八幡西区出身です!


 
 
振付なしのテキトーダンスも素敵ですが、振付を踊るのもダンスの楽しみのひとつ。

 
息はピッタリ。

 

最後はいろいろ"聞いてみる"
うんさんが、参加者のみなさんからの質問に答えます。

【参加者】作品のテーマやタイトル、内容はどうやって決めるの?
【うん】タイトルとか題材についてはすごく自然な流れでやってくる。
作品をつくったことで、次の作品がみえてくる。だいたい本番初日にみえる(笑)
たとえば前回(2010年)の「ショーメン」という作品は正面性について考えた作品。
植物には正面がない。目がないから。正面性がないとういうことはどういうことかを思考したかった。
でも、正面性がないというだけでは社会では通用しない。
もっと立ち向かえるものが必要だと思ったときに「季節のない街」がポッと出てきた。
来月劇場で上演するんですが、山本周五郎の小説に着想を得た。
いつかダンスにしたいと思っていたもの。
街っぽいんだけど街っぽくない、人間の感情だけしかないような、廃墟な街がある、というイメージの作品。

 

【参加者】振付はどうやって考えるの?
【うん】自然と出てくる(笑)ただ、文章を翻訳するような振付は出てこない。
踊っていると未来からやってくる。不思議だけど。次はこうだよ!って。
逆に言葉は過去からやってくるので、言葉を入れて、熟成させて、忘れて、
骨身に入れて振付を考える。
考えたものをダンサーに渡して他人の身体を通してまた考える。
パズルのように何かを形作っていくのではなく、見えない形を見るために見える形を一生懸命つくっている。

 


うんさんのワークショップは本当に元気いっぱいでたくさんのエネルギーを感じます。
今回は踊って、見て、聞いて、と盛りだくさんでしたが、
ダンス作品を創るということについていろいろ深く知っていただけたのではと思います。

そんな、山田うんさんの公演Co.山田うん「季節のない街」は、
3/24(土)・25(日)に北九州芸術劇場・小劇場で上演されます!
チケットはオンラインでもご購入いただけます。
詳細はこちら↓↓
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2011/0324yamadaun.html
入場に関する年齢制限はありませんので、ぜひ観てみてください!
24日は山田うんさんのアフタートークもありますよ!

学芸事業とは?

北九州芸術劇場では、地域の人々とつながり、ともに育っとはていくために、学校や地域でのアウトリーチ(教育普及)活動や、作品の創造を支える専門家を育成する講座、舞台芸術を身近に体験してしてもらうワークショップなどの学芸事業を行っています。

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