「働く人のためのダンスワークショップ」

8月27・28日に"働く人"を対象に
「新入社員編」「中間管理職編」にわけてダンスワークショップを実施しました。
下半期を目前にリフレッシュ&パワーチャージ!

 

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講師は、「カラダをおもちゃにして遊んでみる」をコンセプトに、
子どもや中高年など幅広い世代に向けたダンスワークショップを全国各地で行っている
ダンサー・振付家の伊藤キムさんです。
 
「バレエやモダンダンス、ヒップポップいろいろありますが、
  どれにもあてはまらないダンスをするワークショップです。
  自分のカラダをおもちゃみたいにしながら遊んでみましょう」

 

 

 


◎新入社員編
社会に揉まれて間もない、入社3年以内の社会人の方々が対象です。

まずは、ペアになって背中合わせで立ってみます。
 
最初はぎこちなくて立つのもやっとでしたが、慣れてくると...
 
立ち上がるだけでなく、背中合わせのまま会場内を縦横無尽に歩き回れるほどに!


伊藤キムさん曰く、「カラダの対話」


触れあう部分だけでお互いに感じとって、立つタイミングや進む方向を、
言葉を使わずに決めていました。

 

次は3人組。
真ん中の人は、両足を軸にして"棒"のように立ち、二人の間を行ったり来たり。

前後の二人を信頼していないと"棒"にはなれません。


続いて、ペアを組んだ人と"昨日の出来事"を話します。
最初はすぐ隣で話し、段階的に距離を離して行きながら、同じ内容を相手に話します。
距離が離れるほど、声が大きくなるだけでなく、
身振り手振りで相手に伝えようとする姿が見られました。

 
最後には、言葉を使わずカラダの動きだけで伝えます。

朝起きて、ご飯食べて、仕事して...。同じ行為でも表現の仕方は一人一人さまざま。
言葉を使わずに日常を説明することは、結構むずかしいようで、
全身を使って一生懸命相手に伝えようとしている姿はみなさんイキイキしていました。


伊藤キムさん
「本来言葉で伝えられる事を全てカラダや動きに置き換えて表現すること。
  カラダというメディアを使って昨日の出来事を提示していくというやり方は特殊だけど、
  素材は誰にとっても身近なカラダ。」

 


◇参加者の感想◇
20代・男性・会社員
「新しい事にチャレンジしたいと参加しました。
  今までダンスを経験した事はなかったけど楽しめました。
  ダンスを通じて新たな体験をし、今までにない考え方を学べたのが良かったです。」

20代・女性・公務員
「働き始めてちょうど3年目で、新社会人が集まって踊る事が
  楽しそうだったので参加しました。
 初めは緊張していましたが、互いに触れあって体を動かしているうちに、
  アッという間に着ているものを脱いでいった気がします。
  社会人として、いろいろなしがらみや人間関係で悩んでいて、
  相手がいて体を動かす事や動く理由など新しい視点で踊る事だけでなく
  人生観も学んだように感じます。」

 


◎中間管理職編
上司と部下の間に位置するいわゆる「中間管理職」の方を対象に実施しました。
"新しい事に挑戦したい"という方が多く参加されていました。

最初は、柔軟体操から。
 

 

「新入社員編」と同様に、"昨日の出来事"を、空間を自由に使って全身で伝えます。  

 

伊藤キムさん
「普段言葉で説明していることをカラダで説明する。
  言葉の方が簡単に伝わるから結構大変なこと。
  でも、いかにカラダを使って説明をするかが大事。
  ただ単に"こういうことがありました"では面白くない。
  また、そのへんで使い古されている表現を使ってもつまらない。
  自分なりの遊び、つまり自分自身のオリジナリティを出すとおもしろくなる。」

 


次は「抱き抜け」。
ペアで抱きしめ合って、一方はそのまま、一方は身体をすり抜けて、
別の場所からまた抱きつく。これを繰り返します。
 
抱きしめて、


すり抜ける。


伊藤キムさん
「自分の形を決めるのは自分ではなく、パートナー。
 自分の身体の形は相手の体つきや姿勢によってつくられる。
  相手がいないと自分の形はつくれない。
 相手にちゃんと触れないで形だけ作ることもできるが、
  それは嘘の形。しっかり相手を感じて。」

 


最後に「おやじフレーバーズ」メンバーであり
今回のワークショップに参加した5名がダンスを披露!

「おやじフレーバーズ」はおやじカフェ(2009年小倉オープンカフェマンス共催)に
参加したメンバーから生まれた中高年男性によるダンスグループ。
「おやじカフェ」の発起人は今回の講師 伊藤キムさんです。
 
最後には参加者のみなさん一緒に踊って終わりました♪

 

伊藤キムさん
「数年前から、子どもを対象にワークショップをしたりおやじカフェをやったりしている。
  僕の持っている身体観や動きを通じて、ダンスをやったことがない人たちと
  人生観や世界観を共有していきたい。
  会社勤めをした事がない僕だからこそ持っているものを、
  自分とは全く別の環境で生きてきた人たちと共有し、
  お互いに世界が広がったらいいなと思っている。
  ダンスをやっていると特異にみられる。僕、見た目もコレなので(笑)。
  でも、そんなに特殊なことではない。ダンスをもっと身近に感じてほしい。
  ダンス公演を観に来るのはほとんど女性で、中高年男性はまず来ない。
  でも、2009年に北九州で「おやじカフェ」に参加したおやじたちは
  自らダンスグループを結成して、ダンスを楽しんでいる。
  こういうことは珍しいが起こりうる。
  イメージして遊びながら自由に身体を動かすことで
  新しい自分を発見することにもつながると思う。」

 


◇参加者の感想◇
50代・男性・デザイナー
「中年、特に男性は50歳を過ぎると、自分の人生"こんなもんだ"と
  決めつけるか諦めてしまいます。
 その後、定年退職して、"さあ地域活動"と言っても、
  精神的に新しいものを受け入れる"準備"がありません。
  身勝手な退職者ほど地域に嫌われるのです。
  そこで、恥ずかしがらず、今までと全く違った分野に挑戦してみるなど、
  気持ちの準備が必要です。その準備として、ダンスワークショップは最適です。」

30代・女性・病院職員
「"働く人"というジャンルでのダンスワークショップの内容が
  全く想像できなかったので来てみたいと思いました。
  少し緊張して参加しましたが、とても楽しかったです。
  体で表現することはとても自由なのだと知りました。
  何か解放されたような感じがします。」


ワークショップ終了後には、参加者の方から
「ただステップを覚えるだけじゃなく、
コミュニケーションをとるようなダンスができる場はないですか?」

「今まで生きてきた中で、何かにつけ"やってはいけない""こうしてはダメだ!"という
言葉ばかりを聞いてきましたが、今回ワークショップの中には否定する事が何もなく、
とても幸せな気持ちになれた」

といったお声をいただきました。

 

今後もどなたでもご参加いただけるワークショップや講座を開催しますので、
いつでも遊びに来てください!

学芸事業とは?

北九州芸術劇場では、地域の人々とつながり、ともに育っとはていくために、学校や地域でのアウトリーチ(教育普及)活動や、作品の創造を支える専門家を育成する講座、舞台芸術を身近に体験してしてもらうワークショップなどの学芸事業を行っています。

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