月1ダンス部:踊ってみる編★7月★2日目

「ただ立つことから始めてみよう」/進行:小野寺修二
2010年7月4日(日) 10:00~13:00 @北九州芸術劇場 創造工房

 

昨日に引き続き、今日も小野寺さんとワークショップです。
今日はグループで動く、ということを
いくつかやっていきます。

音を拾って動くために、
小野寺さんセレクトの「Les Blerots de R.A.V.E.L」という
フランスのバンドの音楽に合わせて
いろいろなステップを踏んでいきました。
とても軽快で素敵なカントリーミュージックでした♪

最初は右、左、と簡単なステップでしたが、だんだん複雑になっていき、
みなさん結構覚えるのに苦労していました。

小野寺さんは軽々とお手本でステップを踏んでいましたが、
実際にやってみるのは、難しそうでした。

チャーチャッチャッチャ

チャラリララーラ♪

チャーチャーチャラリララーラ

ララリラリラリラ

チャラリララーラ♪

チャッチャッチャー♪

この後もっと早いテンポの曲でもチャレンジしました!


次は、「コップを持って飲んで、コップを置く」という動きをやりました。

ゴクゴク

両手でゴクゴク

置く!

 

グループに分かれて、全ての動作に擬音をつけて、
グループだけのリズムを考えます。
そのオリジナルのリズムを無言でできるように練習してみんなの前で発表します。

 

◆小野寺さん
「どんな擬音でもいいので、いろんな擬音をうまく使って欲しい。
"タタタ"と"タンタンタン"は、全然違うということを体で感じたい。
"ツァ、ツァ"は切れる音、"チャチャチャ"は弾む感じなど、音によってイメージや"間"が全然違う。
 "タンタンタンタン"というとリズムで一定に動いていると、どんな"間"かお客さんにすぐに分かるが、
"タタタ、タンタン"だと、擬音を知らずに見ている人は、
「この人たちはどういう"間"を使っているんだろう?」と興味がわく。
"水と油"というカンパニーで固定のメンバーでやっていた時は、『ここ"ザー"っていって"ダダ"でね』という感じで、
ほとんど指示は擬音だった。
擬音にはイメージがつまっているので、うまく使ってほしい。」

 

ろろろろろ...

 

掛け声なしで発表。

スッ、トトーン

無言で揃えるのはなかなか難しいようでした。
グループごとにいろいろな"擬音"や"間"があって、
「どんな擬音で合わせているんだろう?」など
"間"によってすごく興味をそそられるところがありました。


◆小野寺さん
「僕は擬音もある種の共通言語と呼んでいる。
台本はなく、言葉を使わない世界で、身体でどうやって共通言語をとっていくかがすごくおもしろい。
作品は世界観だと思っているので、『作り手の世界の中でちゃんと生きられるかどうか』ということを
キャストの方と共通で認識しないといけない。
"間"をどう共有するかという緊張感や、お互いに「おもしろい」と思っているところが一緒であれば、
多少ズレても、気持ちのエネルギーで押せる。
完璧に揃えることに興味はなく、
『揃えたいけど揃えられない』という人の完璧でないところがおもしろい。」


次は二人組になって「さわる」と「よける」をやります。

ルールを前提にするのではなく、
本当に「さわりたい」と思っていたのによけられてしまって
「あれ?」という感じ。

「つく」「たたく」「つかむ」というのとは違うということを
しっかり考えながらさわります。

 「手をさわる」
 「手をよける」

「さわる」「よける」という動作を考えます。
おっとっと

音楽に合わせて発表。

よっ
ほっ

さわりたい!

 

◆小野寺さん
「舞台表現の場合、"のめり込むこと"と"客観的に見ること"、
この相反する二つを同時にできないといけない。
「さわる」という動きをもっと濃いものにするためにどうやって動くか、を考えてほしい。
自分の中でどれが"嘘"か、を理解できるかということも重要。
適当にならずに、自分が『この動きは、"嘘"だ!』と感じられるとうまくなる。
間違ってもいいので、自分が何を目的にして何をしたいのかを明確にしてほしい。
それは他人に聞くことではなく、自分で決めること。」


「さわる」の続きをやってみます。
体育座りから起き上がります。

今度は、後ろ向きで。
体重をかけすぎず、二人の息も重要になります。
むむむ
小野寺さんはこの態勢でご飯も食べれるそうです!

この態勢で頑張って歩いています。
 1、2、1、2


次は、一人が人形になり、もう一人は人形を動かします。

動く人は、人がどう動くのかを試しながら
相手に無理のないようにポーズをさせて、
人形の人はそのポーズのままストップ。

どんな形に...?


今度は、昨日使った板を本に見立てて使います。

本は同じ場所に固定したまま人だけ入れ替わります。


 読んでいるところに
 さっと入れ替わる

今度は4人になって同じようにやってみます。
待っている人がいないように、次々に流れるように入れ替わります。  

ささっと

 

◆小野寺さん
「僕、頑張ります。
拠り所のあるようなないような世界で、仕事がなくなる可能性もゼロではなく、
来年どうなっているかはわからない。
『続けられる』ということは大切だし、本当に幸せなことだと思う。
売れたら幸せってことではないので、自分の幸せを探してほしい。
僕は頑張って、続ける。
またお会いできることを楽しみにしております。」

 


昨日・今日と2日連続でやってきたこのワークショップも
終わりの時間が来てしまいました...
小野寺さんの説明は非常にわかりやすく、明確な指示と、時折経験談も交えての進行は
演劇経験者でない方にも受け入れやすかったと思います。
小野寺さん自身が熱く真剣に参加者の方と向き合う姿を拝見し、
"熱中することが大切"という言葉にもすごく説得力を感じました。

2日間という短い期間でしたが、参加された高校生、大学生のみなさんも
小野寺さんから、たくさんのことを吸収し、学べたのではないでしょうか。
今後表現活動をされる方もされない方も、
いろいろな表現方法があることを感じられたと思います。
このワークショップ参加者がより長く楽しく演劇やダンスを続けられますように!

 


◆参加者の声◆
 
松野さん (大学生・演劇部所属)
「ダンスとか、リズムをとることが苦手だったのですが、小野寺さんのDVDを観たときに「すごい!」と思って、今回参加しようと思いました。
ダンスはやったことはなかったが、もともとパントマイムに興味があったし、実際ワークショップに参加して、とても参考になったし、勉強になりました。
身体の分解は、演技ともとても通じるものがあったので、今後の活動に活かせそうです。」


左から 矢野さん島田さん高木さん(高校生・ダンス同好会所属)
みんな「おもしろそうだな、いろいろ学びたいなと思って参加しました。参加してすごく楽しかったです。」
矢野さん「"やばい!"って感じでした(笑)」
島田さん「今までやったことのない身体の動かし方をいろんな人とやるというのがおもしろかった。」
高木さん「妙な動きをしている自分にびっくりでした(笑)」
みんな「ワークショップの内容を部活でやったら絶対人気者になれるので、今後の活動で取り入れていきたいです。講師の小野寺さんはとてもフレンドリーで親しみやすくて面白い人でした。」
高木さん「小野寺さんは、一言で言うなら"自由人"という印象でした。」

学芸事業とは?

北九州芸術劇場では、地域の人々とつながり、ともに育っとはていくために、学校や地域でのアウトリーチ(教育普及)活動や、作品の創造を支える専門家を育成する講座、舞台芸術を身近に体験してしてもらうワークショップなどの学芸事業を行っています。

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