「おバカな人物とは!?モリエールを読んで大笑いしよう!」

劇場塾2010◎戯曲を読んでみる講座
「おバカな人物とは!?モリエールを読んで大笑いしよう!」/講師:後藤香
2010年6月26日(土)14:00~18:00 @創造工房

 

2010年度は、もっと気軽に、より多くの方に演劇と親しんでいただきたいという思いから、演劇に携わる方だけでなく、初心者の方々にもご参加いただけるプログラムとして実施することになりました。

今年の戯曲講座では、フランスの有名な喜劇作家モリエールの「町人貴族」を読むことにしました。
モリエールの作品はわかりやすく、初心者の方でも読みやすいということ、また「町人貴族」は今回の講師:後藤さんも過去に上演したことがあったということで選んでいます。
※参加者のみなさんには事前に「町人貴族」を読んで来ていただくことになっています。

◆「町人貴族」のストーリー
"貴族"に強い憧れをもつ裕福な町人のジュールダンが、音楽、ダンス、武道、哲学などの先生を招き、教えを請い、少しでも"貴族"になろうとしてるが、当の先生たちはジュールダンを単なる金づるとしか思っていない。妻にも娘にも理解されず、先生たちのケンカや娘の結婚などの展開がある中、我が道をひたすら進んでいる姿を滑稽に描いている。

こちらが、今回の講師後藤香さんです。
   
◆後藤 香(ごとう かおる)
劇作家・演出家・役者。
1990年、座"K2T3結成、座長を務め、同劇団のほぼ全ての作品に出演、演出・脚本を手掛け、外部作品にも多く携っており、2008年からはフリーで活動されています。
とても話しやすく、親しみやすい印象の方です。

 


▽▽戯曲を読んでみる講座の流れ▽▽
読む前に。。。
今回初めて戯曲に触れる方もいらっしゃるので、まずは参加者をリラックスしていただくためにちょっとしたゲームをしました。

 

◎3グループに分かれて連想伝言ゲーム
後藤さんの出すお題から連想するものを伝言していき、最後の人の答えを聞きます。
最初のお題に一番近いグループの勝ちです。
gekijojuku2010_2.jpg 
例えば、こんな様子。
「雨」→「豆腐」→「○○」→「○○」→「○○」→「○○」→「きゅうり」→「漬物」

このゲームのお題は「梅雨」。
「梅雨」から連想して「雨(あめ)」と伝えたところ、「豆(まめ)」と聞き間違えて、食べ物へいってしまい、結果「漬物」になってしまいました(笑)

 

「町人貴族」のおもしろかったところを発表◎
伝言ゲームで参加者のみなさんの気持ちがほぐれたところで、
モリエールの「町人貴族」について読んでみておもしろかったところを伺いました。

「ジュールダンと先生たちのやりとり」
「ジュールダンが"裸の王様"みたいなところ」
「Rの発音をする場面」
「先生同士の戦い」
などなど


◎みんなで読み合わせ
受講者には、演劇経験のない人もいたが読んでいる中で、やりとりがおもしろいシーンやジュールダンのバカバカしさなどで笑いも起きました。


シーンごとに、出てくる役者を順番に当てて読んで行くので受講者はいろいろな登場人物を何度も読んでいきました。
後藤さんがシーンごとに解説を入れながら読み進めていきます。


◎一番バカバカしいシーンを前に出て実際に動きを付けて読んでみる
演劇未経験の人もいたので、まずは経験者に読んでもらい、その後に経験のない人にも読んでもらいました。

【動きをつけたシーン】
哲学の先生がジュールダンに母音(a、e、i、o、u)の発音をいちいち教えるシーンで、
大げさに発音したり、発音をする時は顔をお客さんに向けたり、決められたセリフの時に立ち上がったり、少しだけ後藤さんの演出が入って読んでみました。

 

最後に、一人一人に感想を言ってもらい、本日の戯曲講座は終了。

この講座に参加するために初めて戯曲を読んだ方の中には、戯曲が読みにくいという意見がありました。戯曲は、舞台の上演台本なので実際に読んでみて初めて見えてくるものや伝わることが多くあったようです。今回の読んでみる講座に参加したことで、演劇を観るときにちょっと違った見方でより楽しんでいただければ幸いです。

戯曲に興味をもたれた方がいらっしゃれば、ぜひ声に出して読んでみてください!

 

◇参加者の感想◇


★61歳/男性
今まで、一般的な文化講座しか参加したことがなく、「戯曲」というのがすごく目新しかったので、どんなものかな、と思って参加した。
今までの講座は、一方的に聞くだけで、うなずいて帰るが、今日は自分で意見を言って、みんなの意見を聞くというのが非常に新鮮でよかった。意見を言うというので、少し緊張があったが、おもしろかった。


★16歳/女性
小学生の頃に「アニー」のオーディションドキュメンタリー番組を見て、舞台に興味を持ち、将来舞台の音響や運営、企画などの仕事をしたいと考えており、戯曲も好きなので参加した。思った以上に楽しかった。
みんなで読んで行くことによって同じ役でも全く印象が変わるし、実際に動いてみて、組み合わせを変えたりすることで、いろいろなパターンがいろいろ見られた。自分が読むのも楽しかったし、人が読んでいるのを聞くのも楽しかった。


★35歳/女性
海外の作品、それも長く読み継がれてきているものは、やはりおもしろいですね。他のモリエールの作品も読んでみたいと思いました。

学芸事業とは?

北九州芸術劇場では、地域の人々とつながり、ともに育っとはていくために、学校や地域でのアウトリーチ(教育普及)活動や、作品の創造を支える専門家を育成する講座、舞台芸術を身近に体験してしてもらうワークショップなどの学芸事業を行っています。

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