不思議な世界に迷い込みたい気分のときにぴったりです。
寺山様と言えば、「天井桟敷」に代表される演劇活動のほかに、映画、詩、評論と多方面において活動をされていた方ですが、今日は寺山様の詩について語ってみましょう。
今、私の手元には「寺山修司少女詩集」という文庫があります。少女の愛を謳った詩が多く収録されています。
寺山様の世界はメルヘンでありながらその根底に、人間の持つある普遍的な残酷さとでもいいましょうか、そういった人間の無意識のうちの本質を楽しむ、いわゆる一口でいうならシュールレアリスム的要素を多分に含んだ世界だと言えます。とても優しい母の顔をしていると信じていた童話が、実は非常に残酷な人間の本質を述べた話であるように。どんなに美しく優しいものにも醜く冷酷である一面が潜んでいるという事実に私たちは恐怖を感じます。
だけどもしも、人間が本当に善良で正しい行いばかりをする生き物だったらこんな詩を楽しむなんて感覚は到底ないだろうし、そういった自分の残酷さを認識しているからこそ人は寺山様の詩に内心、共感してしまうのでしょう。
私が大学で演劇を初めて間もないころ、いくつも演劇のビデオを見せられましたが一番深く感動したのは「天井桟敷」のビデオでした。高校の教科書に「縁日にひとりおじさんが迷い込んで辺りは風車がくるくる回っているだけ」といったイメージの寺山様の短歌が載っていましたが、心当たりのある方はこの詩の名前を教えてください。
Posted by 鵜飼秋子 at May 5, 2007 11:33 AM
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