文豪、と言われてすぐに思いついたのが、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治だった。
なんだかどれもあまり善い感じがしない。
死の匂いがする。
変に賢そうで、すんなりと受け入れ難い。
「人間失格」――駄目だ、思春期ならまだしも、25過ぎてこんなの読んでたら、その状態の方が失格のような気がする。
「こころ」――思春期ならまだしも。あと、血がどばって出るから駄目。
「蜘蛛の糸」――上のふたつに比べるとなんか軽っ。
ああ駄目だ駄目だ、もう行き詰まってしまった。
なんてこったい文豪。興味をそそられないよ。
そう思いながらとりあえず手にとってみたのが、芥川龍之介の晩年の作品だった。
「或阿呆の一生」。
すごくアホなギャグっぽい小説だったらどうしよう。
そんなわけないよな芥川。
そういえばよく知らない芥川龍之介の晩年。
自殺したらしいということは知っている。
「地獄変」とか「蜘蛛の糸」とか、タイトルと大体の内容くらいは知っている。
でも、「歯車」とか「河童」とか、タイトルは知ってても内容は全然知らない。
とりあえず、読んでみることにした。
崩壊する日々は、こんなふうに割と穏やかに始まった。
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