小説「歯車」の中には、ホテルで一心不乱に「河童」という小説を書く場面がある。
精神病患者の話す妄想?として、河童の国のことが事細かに語られる。
生活・宗教・風俗・芸術などなど、ありとあらゆる物事が河童とその世界に置き換えられ、風刺されている。
我々が馬鹿馬鹿しいと思うようなことを、河童は真剣にやっていたり、また、我々が真剣にやることを河童は馬鹿馬鹿しいと思ったりする。
芥川の「河童」に出てくる河童たちは実に人間らしくて、たとえばきゅうりを食べたりはしない(いや、食べてるかもしれないけど、描写はない)。
コンサートにも行けば詩も書くし、出産だってする(たぶん夜営んでるんだろう)。
口から卵を吐いたりはしない。
そんな実は人間っぽい河童が、庭の「崩壊」にも出ます。
あの人とあの人が演じます。
お楽しみに。
つづく
Posted by 藤本瑞樹 at April 12, 2007 02:02 PM
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