2006年05月05日

最終回
[3:鶴を折る日々 by 市原幹也]

のこされ劇場≡「つる 〜あの日飛び去った夕鶴によせて〜」に、ご来場いただいた皆様。
本当にありがとうございました。
大盛況のうち、無事に公演を終了することができました。
今回は、去年のご来場者数を大きく上回る、400名を超えるみなさんと。
この作品を共有できたことを、本当にうれしく思います。

さて、公演も過ぎ、少し落ち着いた日々のなか。
作品に関するご感想をいただいたり。
アンケートに目を通したり。
仲間と酒を飲んだり。
実に多くの方々と時間を共有した日々を通り抜け。
そして。
ひさしぶりにひとりになってみたり。
すると、ふと。
作品をつくりはじめた頃のことを思い出したりします。

民話「鶴の恩返し」を、現代に、劇場に、立体化してみる。

その決意から、演出プランを決めるよりも先に。
関連資料を集めるよりも先に。
メンバーに「これでいく。」と言うよりも先に。
この民話の持つ普遍性というか、民話というものは、普遍性があるゆえに現代に語り継がれているのだが、その揺るぎないメッセージを「愛と平和」に向かって、まっすぐぶつけてみたいという大きな衝動を手に入れた。
そして、瞬間、その先に、光を見た気がする。
その光に向かって、向こうには何かあると信じて、ただ、その光を見失わないように、突っ走ってきたような気がする。

そして、ぼくは、公演当日。
光に包まれたような気がする。

するとまた、向こうに、光が見えた気がする。

多分、ぼくらは、のこされ劇場≡は、こうやって、作品をつくり、みんなと出会い、走っていく。

そんなことがぼんやりとでも、あたまんなかに感じれる、五月、昼、ひとり。

皆様。
これからも、のこされ劇場≡を、どうぞよろしくお願いします。
この連載を読んでくださったみなさん。
会場に足を運んでくださったみなさん。
ぼくたちに力をくれた北九州芸術劇場のみなさん。
そして、のこされ劇場≡のみんな。
ありがとう。

それではみなさん、次の作品で出会いましょう。
そのときまで、さよなら。

(了)

Posted by 市原幹也 at 2006年05月05日 19:41