芥川龍之介の作品を読みながら気づいたことがある。
彼は短編を得意としていたということ。
僕もどちらかというと短いお話が好きで、最近はオムニバス形式のものばかり書いていたので、なんだか好感が持てた。
作品を読み進めるのと並行して、芥川の生涯について調べてみた。
そしてそのうちに、彼の死にまつわる奇妙な噂を知ったのだが、それについてはまたいずれ。
彼には要するに才能があった。
そして、その才能にふさわしいだけの努力をしていた。
一行を書くために書いては消し、書いては消し、数日かけてやっと小説の書き出しができた、なんてことも珍しくはなかったらしい。
彼の作品に付き纏う文章の重みは、そのまま彼が原稿用紙に向かうときの思いの重さだったのだろうと思う。
それほどの思いを持って作品を書いていたため、彼の評価が芳しくなくなってからの落胆は相当なものだったのだろう。
身体的にも精神的にも疲弊していた彼は、やがて「もうひとりの自分」、所謂ドッペルゲンガーというものに悩まされるようになっていた。
つづく
Posted by 藤本瑞樹 at March 15, 2007 05:34 PM
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