なんといいましょうか、鋭い眼光。そんな印象の方です。
私がごくごく最近、三島文学に触れた機会は「うずめ劇場」の舞台です。『近代能楽集』に収録されている「道成寺」「班女」「卒塔婆小町」を上演していました。実は、学生のころ「道成寺」を部活の先輩と稽古していたことがある私は非常に懐かしく舞台を拝見しました。
学生のころはね、意味がわからなかったんです。繰り出される言葉が装飾的すぎて意味がわからない、というような。端的にいうと難解だ、と感じていたわけです。ですが、あのころから6、7年経った今もう一度「道場寺」に触れると非常に納得してしまったというか、そこに描かれた女性や人間に、非常にリアリティを感じました。「まあ、若い女とはそいういうものであるなあ」と。そういうことを「汚れなく若い」というのだなあと腑に落ちました。
小説『金閣寺』、これまたもうさっぱり理解できませんでしたが、「柏木」という足に障害(内翻足)のある男と「令嬢」の強烈なカップルが印象に残っています。「金閣寺」のことははっきり言ってこのカップルのことしか覚えていません。人間の持つ優越感とか劣等感とかそういう感情を基礎として繋がっている関係ですが、これがある意味では根本的で、ある意味では非常に美しいカップルだと感じたのです。
そう、「美意識」とか「美学」とかそういった言葉が似合うのが、目ヂカラ三島様です。
Posted by 鵜飼秋子 at March 24, 2007 11:56 PM
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