2006年04月03日

藤本瑞樹から見た愛と平和
[1:愛と平和と藤本瑞樹]

さて。
いよいよ庭も劇場に乗り込む日が近づいてきました。
稽古のほうも終盤戦。
これまでの日々を愛と平和の物語に収斂するべく、総仕上げに入ります。

「愛と平和」というテーマが与えられてから約3か月。
どういうものを描こうかと考えに考えました。

9・11のことを調べて書いてみようか、たまたま本屋で表紙が目に入ったジョン・レノンとオノ・ヨーコのことを書こうか、「愛(メグミ)と平和(ヒラカズ)」というタイトルで金色夜叉みたいのを書こうか(これは自分で没にしました)――。

結局考えに考えてわかったのは、「『愛と平和』と言われてもようわからん」ということでした。

平和な日常の中にいて争いを描くことは自分にとってあまりリアルじゃなかった。
そして、そんな中で愛について真剣に考えたときに、男女の恋愛よりも家族や友達、仲間同士で思いやる気持ちだったり、誰かの幸せを願ったりする気持ちのほうが実はすぐ身近にあって、その割に気付きにくくて、でもいつだって僕らを大きく包み込んでいるよなあと思ったのです。

そうして二番目の庭という劇団でそれを描こうと思ったときに、二番目の庭が描ける「愛と平和」というのはこれだな、と思ったのです。

そうやってこの「No Good Tales」はできました。

庭なりの「愛と平和」が結局なんなのか、というのは結局は実際にご来場いただいたお客様に判断していただくべきことだと思うのでここには書きません。

でも確実に、今我々が創り上げている「No Good Tales」というお話は、愛も平和もなんでもあります。

そして。
それを創り上げていく過程の中で僕らは、たくさんのスタッフやサポーターの方々の大きな愛に包まれていて、そうやって迫りくる本番の日を迎えるのです。
そのことだけは、今はっきりとわかります。

全部舞台で返します。

次回はいよいよ公演直前!
くだらない作り話が世界を幸せにするお話。

Posted by 藤本瑞樹 at 2006年04月03日 12:27