2006年03月01日

第二話 姉妹の愛
[2:さかな公団のLOVE色々]

私には妹がいます。3歳離れた妹です。去年、東京で就職して今は一人暮らしをしています。
私たちは顔が結構似ています。

私も妹も小さい頃は毎日喧嘩をしていました。
妹は私に比べると口数が多くないので、一見大人しそうにみえますが、そうではありません。
母が「もう勝手にしなさい、お母さん知らないからね」と怒るときによく言っていましたが、この言葉は、いざとなると臆病になってしまう私には有効ですが、妹には無効です。
妹は「勝手にしなさい」と言われると、許されたのだと勘違いして本当に勝手にしてしまうからです。
こんな肝の据わった女ではありますが、妹が怒られると、私がかばってやるこもたまにありました。

考えてみるとあまり性格は似ていないような気がしますが、ただそう私たちが感じるのは姉妹の宿命であるようにも思います。

幼い頃、私はいつもロングヘアで暖色系の服が似合うと言われ、妹はショートカットで寒色系の服が似合うと言われていました。

周囲は無意識に姉妹を区別します。

こっちは優しいとか、こっちは勉強がよく出来るだとか、こっちは美人だとか。
言われた本人はなんとなくそんなものかと、それならいっそ姉妹の差別化を図ってやろうとその区別を信じてより自分らしい方向へと努力をします。
その証拠に私は昔服を買うとき、青とピンクがあったらピンクを迷わず選んでいました。

しかし、その区別は逆にちょっとしたコンプレックスにもなっています。

先日、福袋に入っていた帽子を試しに被っていた妹に、母が「少年みたいですごく似合う」と褒めたら
妹はむくれて「もうかぶらん」と言いました。そして、現在、妹の髪は長く、私の一番好きな色は青です。
つまり、昔、姉妹が親から受けていた評価とは全く逆の結果になっています。

不思議です。ですが、これぞ姉妹。

姉妹は、お互いに相手と自分とを常に比較し、その比較にちょっとした優越感とコンプレックスをいつだって抱えています。
でもそれは自分たちに共通する部分が多いからなのであって、いつだって「あれさあ」とか「これさあ」だけで会話ができるほど、類似性を秘めた説明のいらない関係なのです。

普段はなかなか有り難味がわからない存在ではありますが、妹が居て本当に良かったと思える瞬間はバラエティ番組を一緒に見て笑っている時だと、私は思います。

Posted by 鵜飼秋子 at 2006年03月01日 11:00
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