劇場ナン・コレ

何の変哲もない部屋の中(音響編集室です)。突如聞こえてくる音。その音は、ワタシの寝ぼけた耳を突き抜け、脳みそを一撃。ワタシの「想像」の回路は、お粗末ながら激回転。一瞬にして目の前に凄まじい光景が!「ぬお~~」思わず、感嘆して絶叫。同時に久々の鳥肌。え、何が聞こえてきたかって?ある舞台作品の効果音です。ほんの数秒耳に入っただけで別世界へと瞬時にトリップ。音ってスゴい。まじスゴい、ヤバイッす。失礼。興奮のあまり取り乱してしまいました。今回は、この「音」を作ったり、自在に操ったりする「音響さん」について。

音を拾う、出す、作る、それらのサポートをする、時には自らが道具(ツール)にもなる等々、音響さんの仕事は想像以上に多種多様。更に目的別に多くの道具が存在し、加えて、細かい作業や知識が要求されるデジタル機器が、今か今かと出番を待っている。この時点でお腹一杯な感じだが(笑)、音響さんは当たり前のように楽しそうに大切に、道具たち個々に仕事を与える。その光景は、人と道具の関係ではなく、まるで人と人(道具と道具?)。大事にされている道具たちそれぞれが、命を持った職人として、音響さんの相方として動いているように思えた。
目には見えない「音」が相手の仕事は、目には見えないところでの目には見えない努力や懸命さが伝わってくるよなぁ。だって、ほらまたワタシの腕に、効果音を聞いた時とは違う感覚の鳥肌が。

〈今回のナン・コレ〉

■マイク...こんなにも多種にあるとは驚き!市長にはコレ!とか、人に合わせてではなく、(やはり)講演、演劇、演奏、位置等目的別に使われるそうです。
■オーダー!...音響機器・設備は、既製品は少なく、音響さんたちの声を反映した一点モノ!!
■デジ・アナ...仕事や道具に合わせ、その都度自らをデジタル寄り、アナログ寄りに切り替えるそうな。う~ん、見習いたいとこです。
■道具・機材...道具・機材への接し方は、本当に素晴しい!音響関係は精密機器が殆どだが、湿度管理等、大切に大切にされていた。
■音作り...数秒の効果音でさえ、何種もの音を重ねて作られる音作り。「音作りで煮詰まったら?」と質問したら、「またさらに別の音作りをする」そうです。ホントに「音」が好きなんですな。
■窓...場内の音を直に確認できるよう、劇場客席後ろの音響室のガラス窓ってば、実は開閉式!
■音響の仕事に向いてる人...ゲーム好き(嘘)好奇心旺盛な人が向いているそうです。