2005年11月12日

[演劇人の為のアーツマネージメント講座 ―How to 「演劇制作」―]

第8回 まとめ (11月7日[月])

最終回となる今回は、事前に「実現可能な舞台の企画を考え、企画書と予算書を提出する」という課題を踏まえてのまとめとなりました。
提出された企画の総評としては「具体的で、実行性のあるものになった」とのこと。

まずは、シアターラボのリーディング公演を観て感じたことを話し合いました。
シアターラボの上演作はまだ未定。「どちらも共感できなかった」という人あり、「どちらも見てみたい」という人ありで、実際、リーディング公演のアンケートでも同じような感触だったようです。

そして、課題として提出された企画をそれぞれみんなで見ていき、よい部分、もう少しよくできる部分を講師にコメントしてもらいました。

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Posted by 北九州芸術劇場(K) at 18:17

2005年10月22日

[演劇人の為のアーツマネージメント講座 ―How to 「演劇制作」―]

第7回 上演に向けて (9月22日[木])

まず、シアターラボリーディング公演の2作が決まったことが知らされ、戯曲講座の講師であるはせ氏の推薦の中からシアラボ演出の松本氏がこの2作を選ばれたことなど選定過程の説明がありました。今後2作ともリライトをしてもらうことになっているが、演出家が作家ふたりに直接会ってリライトの方向性を話してもらうという段取とのこと。リライトというのは、作家と演出家の組み合わせでどのような方向性で書き換えるのか、ケースバイケースだそうです。

その後、現段階で決まっているシアターラボのスケジュールの告知があり、シアターラボの制作に参加したい人は参加可能とのことでした。

新里氏の方から、「前回までに(講師なりの)演劇の流れ・考え方は伝えたつもりなので、もう一度応募用紙に戻って、受講生が本当に知りたかったことが伝わったのか確認していきたい」とあり、それぞれの受講生と話をしていきました。

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Posted by 北九州芸術劇場(K) at 11:46

2005年10月20日

[シアターラボ2006]

シアターラボ2006が始まります

戯曲講座で書かれた戯曲を本格上演するシアターラボ。
北九州芸術劇場サイトにシアラボ2006総合ページを公開しました。

今年度のシアラボがどんな流れで作られていくのかまとめています。

Posted by 北九州芸術劇場(K) at 19:39

2005年09月18日

[「10年書き続ける」ための戯曲講座]

最終回(9月10日(土)14:00〜18:00)

いよいよこの講座も最終回となりました。
今日は全員書き上げての提出です。
ある受講生より、1時間50分くらいの作品になってしまったので20分くらい削りたいという話がありました。
なんでも人間の集中力が1時間30分が限界というので、それを思えば少し長すぎるのでは?と不安になったそうです。
これを受けてはせ氏は、少し前に坂手洋二氏(劇団:燐光群主宰、前回の戯曲講座の講師)から次回の芝居について「2時間50分ものなんだけど、まあ見てみて。あっという間に終わるよ。すごい芝居だから!」と、電話があったという話をされました。
坂手氏が2時間50分もの大作をあっという間に終わると言っているのはちょっと大げさかもしれないけど、少々時間が長くても内容によっては(観客を退屈させなければ)気にならないので単に時間が長いというだけで気にする必要はない。2時間を越えなければいいんじゃない?ということでした。

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[「10年書き続ける」ための戯曲講座]

第七回(8月27日(土)14:00〜18:00)

今日の提出で最後まで戯曲を完成させてきた人は3人いました。
その他の人たちも完成まではいきませんが、随分とがんばって書いてきていました。

これまで毎回新しい戯曲に書き換えてきていた受講生は、なんと前回の続きではなくまた新しい作品での提出です。
前回、研究所で起こっていることなのにその雰囲気が出ていないと指摘され、それを改善するためには書き直さなくてはいけなくなったということでした。
といっても全く違う話ではないらしく、前回の話を回想シーンとしてどこかに入れようと考えており、舞台も再び研究所に想定しそこで二人の作業員が中心となって話が進んでいくというものでした。
はせ氏は「もう、また変わった!?んだよね。タイトルもまだ(仮)だし最後まで怪しいなあ(笑)。」と。
そして、作品に対しては「何かを狙って書いてあるというよりは、お客さんも緊張感なしにただ見せられているような雰囲気だね。」と感想を述べ、中心人物である作業員の立場がどうなっているのか、又途中に出てくるライターに関する談議が伏線と思ってよいのかという点を確認されました。
この受講生は新しく提出したにもかかわらずかなりのボリュームが書けているので、はせ氏も「(最終締切まで)2週間あるから乗れば書けるよね。がんばって!」とエールを送っていました。

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↑「もう書き直さないでよ。」
  「はぁ。」

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2005年09月09日

[演劇人の為のアーツマネージメント講座 ―How to 「演劇制作」―]

第6回 戯曲を読む (9月8日[木])

今回は、「戯曲講座」で受講生が書いた戯曲9本を宿題として事前に読み、シアターラボ()を念頭において自分だったら上演作としてどれを選ぶか考えてみるという内容でした。

講師曰く「演劇制作の講座なら、戯曲を読むということは外せないと思うのだけど、マネージメントの講座では見かけたことがない。この講座では、制作の立場として「どういう視点で読んだらいいのか」を考えてみようと思う」とのこと。
それを踏まえ、「制作が本を読むにあたって気にするべきことは何か」受講生に聞いていきました。

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Posted by 北九州芸術劇場(K) at 14:59

2005年08月27日

[演劇人の為のアーツマネージメント講座 ―How to 「演劇制作」―]

第5回 上演:作品と観客の出会い (8月18日[木])

まずは講師の方から前回の補足がありました。

営業・宣伝・広報は集客、チケット販売を目指したものですが、「観客」を増やす、つまり「創客」のためにはどうしたらいいか?を考えてみました。
「創客」のためには、演劇の魅力を伝えていくことが重要ですが、そのための手法としては、アウトリーチ(=教育普及、芸術普及)としてワークショップや講座、講演会、セミナーなどがあります。(この講座もその一つ。)
アウトリーチでの体験で、お客さんとしては、例えば北九州芸術劇場のバックステージツアーで裏方のスタッフと出会った人は、舞台の裏側のことも考えながら公演を観るであろうなど、観るときの視点が増える、変わるという効果が考えられます。
舞台作品は、特に新作の場合、それがいい作品になるかそうでもない作品になるか分かりません。だからこそ、それでも観に来てくれるお客さんを増やしたいのです。

また、アウトリーチには、演劇などの現場では想像力やコミュニケーション能力が活かせるという背景から、教育や福祉、医療の分野での社会貢献の側面もあります。
営業・宣伝・広報は、もともと興味を持っている人にしか大きな効果が見込めませんが、アウトリーチには、「(もちろん来てほしいけど)必ずしも観客として来なくてもいい」という考えもあります。つまり、劇場という場に限って例えると、「劇場には行かないけど、自分の住んでいるところにこういう劇場があるのはいいね」と支持してくれる人=サイレントパトロンに向けたものでもあります。

欧米では警察の研修に劇団の俳優などが派遣されたりということもあるそうで、「劇団が学校ワークショップのプログラムを持っているのもいいね」とのことでした。

また、さかのぼって「作品づくりの流れ」についての補足もありました。

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Posted by 北九州芸術劇場(K) at 16:24

2005年08月26日

[「10年書き続ける」ための戯曲講座]

第六回(8月13日(土)14:00〜18:00)

今日で講座も残すところあと2回となりました。
講座の初めに、「戯曲を書くって作業は孤独なものだから、せっかくみんなを4時間も拘束するのでこの時間に他の人の作品から学ぶということも大切にして進めていきたい。」と、はせ氏は話されました。

3場からなる戯曲を書いていて、前回最後の場面がパソコンのエラーで消えてしまったと嘆いていた受講生も今回は最後まで書き上げての提出です。
受講生はとりあえずは書き上げたというだけであまり自信がないと言います。
初めの場面は書き直しがされていて、それについてはせ氏もとてもよくなっていると誉めていました。
問題の3場ですが、作者も「必要なことだけをかなりストレートに書いたので、読んでみて自分でもこの展開に『何だそれ?』と思った。」と言うくらいで、はせ氏も「たしかにまとめてしまいましたという印象も受けるね。」と返されました。
内容は、仕事帰りのOL(20代後半)を押し倒した高校生(男)を何故か部屋に連れてきてしまい、そこでOLの弟やその彼女も出てきて一騒動あり、最後に高校生は家に帰っていくというものです。
その展開についてはせ氏は「ちょっとドラマが小さくなってしまったね。自分が被害者なのに相手を家に上げたりしてとてもスリリングな関係なのに、高校生が説得されてすんなり家に帰り過ぎ。あまりにもきれいにまとまってしまったという寂しさがある。」と言われました。
「言葉だけでは人はそんなに簡単に説得されないということはお客さんも充分承知している。何か具体性が1つでもあるととっつきやすいんだけどね。ダラダラ長く続くエピローグが欲しいわけではないのだけれど、2場の終わり方があまりにも衝撃的だったので3場が弱いと負けてしまう。なんとか着地点を見つけるよう、もう一度書きなおしてみて。」ということです。

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↑「みんな、読むのうまいね!リーディング講座か?と一瞬勘違いしますね。」

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2005年08月11日

[「10年書き続ける」ための戯曲講座]

第五回(7月30日(土)14:00〜18:00)

講座の始まりに、「(すぐに講義に入るのではなく)いろいろとクイズなど出したいのだけど、時間がないので早くいこうね。」とはせ氏が言われましたが、受講生のみんなは「え?どんなクイズ?」「気になる!」と講義よりもクイズのほうが気になる様子です。

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↑ある受講生から東京土産のお菓子が振舞われました。
今日は、お菓子を食べながらまるでサロンのような雰囲気でのスタートです。

今回で5回目の講座というのに前回とは全然違うものを書いてきた受講生もいました。
開発工事によって切られようとしている木を守ろうと頑張っている男たちが、夜の集会所に集まってその相談をしているという内容のものです。
話の中では、汗をかいているのにひどく寒がる人がいたりと何やらミステリアスに展開しそうな様子。
しかし、書かれてある場面がまだ1場のみであることもあっていま一つ分かりにくい感じです。
はせ氏は、「設定を少し隠して書き出すことに関して、余計な説明をしないのは見ている人がだんだん分かってくるという楽しみもある。けれども、舞台にどこまで興味を持たせ続けられるか、そのさじ加減が難しいんだよね。分からなすぎるのは困る。分からないことに関心を持てる人もいれば離れていく人もいるということは意識しておいて。」と言われました。
「今読んだ限りでは、作者がテーマが見つかっているのかはどうかちょっと分からない。照明や音響が加わったりしてもっと見えてくるものがあるのだろうけど、戯曲の中で(テキストとして)テーマは決まっておいた方がいいね。」とも言われました。
はせ氏の「木のイメージはあるの?」や「どんな場所にあって、その木にまつわるエピソードなんかは?」という質問に漠然とした回答の受講生でしたが、質問によって気付かされることも多い様子でした。
はせ氏によると「この話では木が出てくるんだから、今質問したようなイメージを持つことは必要。木だけでなく、例えば登場人物がオタクだったり父親がいなかったり・・・など書きながら想像を具体化することが大事なんだよ。そうして書いていても筆が止まることもあるけど、何も想像していないよりも止まり方が違うからね。」ということです。


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2005年07月28日

[「10年書き続ける」ための戯曲講座]

第四回(7月16日(土)14:00〜18:00)

今日で講座も4回目を迎え、そろそろ中盤にさしかかりました。
これまでは約3週に一度のペースで講義が行われていたけれど、次からはもう少し早いペースで行われるようになるので、受講生のみんなもそれを意識して次の次の講座くらいまでには一旦書き上げることを目標に進めていって欲しいと話がありました。

前回までのものに詰まってしまって書けなくなったという理由で、今回全く違った戯曲を書いてきた受講生もいました。
長々とト書きが続くことに対して、はせ氏は「ト書きに多く(余計なこと)を書かなくていいからね。ここまで書いてあげなくても分かるよ。もっと演出家を信じて!」と言われました。
ト書きと同様に、一人台詞が長すぎるのも説明的になってしまう上に不自然だということです。
台詞を短くしても伝わることもあるので「もっと観客を信じて!」とも。
戯曲の登場人物である男の出会い系サイトでのハンドルネームが“うしお”というのは毛利(モオリ)という男の本名から狙って取ったという話が出た時、これには誰も気付いてなく、当然みんなも分かっているものと思っていた作者に対して、はせ氏は「これは観客を信じ過ぎ(笑)!」と一言。

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↑舞台をどう作りたいか、図を描いて説明する受講生。

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